2021.10.22
# 国債 # 為替

高市早苗も財務次官も「見落とし」た、日本の「借金財政」が破綻しない最大の理由

日本は、ギリシアではない…
近藤 駿介 プロフィール

国債の海外投資家保有比率が高いということ、それはギリシャの運命が海外投資家に握られていたということである。これに対して日本国債の海外保有比率は7.2%に過ぎず海外投資家に生殺与奪を握られている訳ではない。これが債務危機に見舞われたギリシャと現在の日本の決定的な違いである。

考えておかなければならないことは、ギリシャなど債務危機に見舞われた欧州各国で、国債の海外投資家保有比率が70%を超えるほど高くなった理由である。日本でギリシャ化が進むかどうかは、近い将来日本国債の海外保有比率がギリシャのように高まっていく可能性がどのくらいあるのかにかかっているからである。

債務危機のリスクが高いことを認識していたら、海外投資家がギリシャ国債をこれほど大量に保有するはずはない。海外投資家がギリシャ国債を大量に購入したのは、2009年10月のギリシャの政権交代まで財政赤字が隠蔽されていることを知らなかったからだ。

債務危機リスクが想定されていなかった段階では、海外投資家をギリシャ国債投資に駆り立てた要因が存在していた。それが「共通通貨ユーロ」である。

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ユーロの出現によって、共通通貨を使用する各国間では投資における「為替リスク」に配慮する必要はなくなったのだ。債務危機に襲われたギリシャもアイルランドもポルトガルも、さらにはドイツもフランスもその通貨はユーロであり、ユーロ圏諸国は投資家にとって、為替リスクを考えずに投資できる国だったのだ。

リーマン・ショックが起きる前まで、欧州経済の優等生であるドイツとギリシャの10年国債利回り格差は0.3~0.5%と、現在の米国10年国債と日本の10年国債の利回り格差1.5%程度と比較しても小さく、必ずしも利回り面でギリシャ国債の魅力が高かったわけではない。

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