2019年、47歳のときから婚活をはじめたナナさん。未婚の母で、仕事も友人関係も充実していたため、恋愛もさほど興味がなかったという。そんなナナさんが、婚活に飛び込んだのは、自分の人生をより楽しく生きようと考えたから。しかし、自分の人生を楽しくするためのパートナー探し、婚活は、まずは「自分にとってどんな人が理想なのか」をはっきりさせなければならなかった。それにはわかりやすい「条件」だけでは言い切れないところが……。

名前を伏せてリアルに伝える婚活日記、会社のお金の使い込み逮捕歴あり、国際ロマンス詐欺、超潔癖症……、はじめたそばからなかなか多様な男性との出会いを味わったナナさんが次に出会うのはどういう人なのか。いろんな点で惹かれながらも、関係継続をやめたメキシカンのイケメン男性の例から、「理想のひと」とはどういう人なのか、「思いやり」とはどんなところで見えてくるのか、女性が男性に離婚を切り出すのはどういう理由なのか、様々な面から考えた。

ヤマサキナナ「NY婚活日記」今までの連載はこちら
 

今が自分史上一番若い

始めてから1年すぎても進歩のない私の婚活ですが、躊躇している場合ではありません。ここで友人の名言を一つ。「躊躇している場合じゃないよ、自分史上今が一番若いんだからね」。本当にその通りです。

49歳にもなって……とか言っている場合ではありません。
ただ、ずっと名言だと思っていたこの言葉、つい先日こっち(ニューヨーク)で発言してみたらすごく違和感を覚えたのです。「あ、これって、すごく日本人っぽい発言なんだ!」と30分後くらいに気がつきました。若いほうがいいという価値観がすでに日本なんですよね。

これを読んでいらっしゃる方は大体が日本にいるんだから、日本の価値観でいいんじゃないか、と言われそうですが、今やこのネット社会でいろんな価値が流入してきています。ぼんやりしていたら、まだそんなこと言ってるの? という風になりかねないし、「えええーーなんか損したーーー!」ということにもなりかねないので、一応お知らせしておきます。恋愛に年齢は関係ないです! したい人は一生してていいものなんです。

Photo by iStock

そして、私の婚活に進歩がない最大の原因が、コロナ禍に出会ったのインテリメキシカンとの恋愛で一つはっきりわかりました。私は「自分の求めているものがわかっていない」「“どんな恋愛がしたい、どんな相手がいい”というのがわかっていない」のでした。

娘に「よくもママの良さを全く理解していない人を好きになれるな」と言われましたが、その時「自分を理解して欲しいなんて思っていないから」と答えてしまいました。なんて愚かな答えなのだろうか、と今となっては反省しかありません。娘は当時15歳、「自分を理解できない人とでも付き合っていかなければならない」のが恋愛だとしたら、なかなか絶望的な未来です。

そうか、私の恋愛には、娘の明るい未来もかかっている、そんな気もしてきました(いや、これ、娘に言ったら、絶対「私のことは放っておいてくれ、私はママみたいにアホじゃないから」と言われそうですけどね)。