ドラマの大ヒットで「ダルゴナ」の値段が高騰

『イカゲーム』には、めんこやビー玉、だるまさんがころんだ(韓国では「ムクゲの花が咲きました:ムグンファコチピオッスムニダ」)といった子ども時代の懐かしい遊びが登場します。表題のイカゲームは、丸と三角と四角を組み合わせたイカのような図形を地面に描き、相手の陣地に攻め込んで行くゲーム。エリアによって両足が使えるところと片足しか使えないところがあり、敵味方に分かれて手で押したり引いたりといった攻防をしながら戦います。結構激しいので、日本の「けんけんぱ」の過激版といったところでしょうか。

ちなみに私は30代ですが、私も妻も、子どもの頃に友達とこの遊びをしたことがあります。ただ、これが「イカゲーム」という名前だということは、私たちもこのドラマを観るまで知らなかったです。

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ドラマのなかにはノスタルジックなものが多く出てきます。「ダルゴナ」という、街角で買える駄菓子もそのひとつです。これは砂糖を熱して溶かし、重曹でふくらましてから潰して固めたもの。日本では「かるめ焼き」と呼ぶそうですね。韓国では単純な模様が型押しされていて、『イカゲーム』ではその形を崩さぬように型抜きをするゲームのシーンがありました。

この「ダルゴナ」という駄菓子は原価がものすごく安く、私が子どもの頃は1個5円で買えました。その後10円に値上がりして、今はだいだい200円くらいだそうです。ところが『イカゲーム』の大ヒットで値段が高騰。もともと商売をしていた人が、ここへきて700円という高値で売っているというのです。さっそく韓国では「それはちょっと調子に乗り過ぎじゃない?」とニュースになっていました(笑)。でも、ドラマに出ていたような鉄の箱もセットになって700円なので、それならまあいいか、という意見もあるようです。

ソウルの街には、『イカゲーム』の柄をモチーフにしたダルゴナの屋台が多数出現。photo/Getty Images
ドラマと同じように、型抜きが試せる屋台も出てきている。photo/Getty Images

余談になりますが、少し前に韓国発の「ダルゴナコーヒー」が日本でも話題になりました。私はそのときに初めて、「ダルゴナ」という言葉を知りました。おそらく海外用に、一部のメディアが呼び始めたのではないかと思います。そもそもダルゴナとは、80年代頃にあったブドウ糖を固めた真っ白なお菓子のことを言います。その後90年代に入ってから、体にも良くないし、美味しくないからと砂糖で作るようになったのですが、こちらは「ポッキ」と呼ばれていました。なので韓国では、『イカゲーム』に出てきたこの駄菓子をダルゴナではなく「ポッキ」と呼ぶ人の方が多いです。