フリーアナウンサー中村仁美さんのFRaU Web連載「騒がしくも愛おしい日々」(毎月1回・第1水曜日更新)。さまぁ~ずの大竹一樹さんとの結婚後、母として、妻として、そして一人の女性として、感じたこと、考えたことを、中村仁美さんならではの目線で綴っています。

今回は、ここ最近中村さんの頭を悩ませている長男くんの「塾問題」について。日頃の様子を見ていて、「このままで大丈夫なのか……?」と親として心配するが故に、つい口出ししてしまうという中村さんが、ママ友たちとの会話の中で改めて実感したこととは?

なぜここまで子供に勉強してほしいと思うのか、自身の学生時代の経験やテレビ業界で働くようになって思ったことなどを振り返りながら赤裸々に綴ってくださいました。

中村さんの今までの連載はこちら

本人にやる気なし?“塾続けるか問題”に直面…

人間ってつくづく貪欲だな、と思う今日この頃。
とにかく無事にさえ生まれてくれれば、それだけでいい!と、切に願ったあの日からおよそ10年。

ここ数日、私は、願い通り無事に生まれてきてくれた長男と、近所の学習塾を続けるか否かで、事あるごとに話し合い、頭を悩ませています。

以前にもこのコラムで触れた、あのやる気スイッチを押してくれた塾(該当の記事はこちら)。親にとっては夢のようなスイッチON期間は、夏期講習が終わると共にあっという間にOFFになり、それまで同様、毎日のように「塾の宿題やったの?! 終わらないよ!」と叫ぶ日々。
あれはやはり幻だったのか……。

ハロウィンシーズン。スーパーで目玉グミを購入。写真提供/中村仁美
 

塾の日までに、さして多くもない量の宿題を、私に言われて嫌々、どうにかこうにか終わらせるのが精一杯。
小学4年生。そろそろ勉強に本腰を入れるお友達も増えてきて、ギリギリ宿題をこなすだけの息子の塾での成績も、じわりじわりと落ちてきました。

「そんなに勉強が嫌いなら、塾やめる? いいよ、お母さんの人生じゃないもん、将来どうなっても知らないけど」と、定番の“脅し”文句。

「人生には、どんなに願っても手に入らないものがある。だけど、勉強はやればやっただけ身に付くし、勉強は裏切らない。将来やりたいことや夢が見つかった時、近道になるし選択肢が広がるよ」と、鼓舞するようなそれっぽい話も。
「人より楽して良い思いをしようなんて思わないで。人より努力するから、人とは違う景色が見られるの」と、もはや自分でも言った後、何の話か分からなくなる。

だって、そもそも勉強って面白いはずだし、本当にやりたいことが見つかったら、どんなに遠回りだろうと、そこへ向かって頑張るはずです。何より、幸せは人と比べるものではありません。

悩んでいる私を横目に、話が終わったと勘違いした長男が、間髪入れずにゲームをやり始めました。
結構深刻な話し合い中だけど??
虚し過ぎて、私は笑いが止まらなくなりました。