「子供たちの人生」を見守るしかない

今まさに高校受験や中学受験に挑む子を持つ旧友たちと、親としてのそんな悩みを吐露しあっていると、「それはさ、一歩間違えば、教育虐待になるらしいよ」と指摘されました。親の価値観を押し付けるべきではないし、どんなに親が良い環境を用意しても、本人にやる気がなければ意味がない、だから、親は待つしかないのだ、と。

YouTubeのことで頭がいっぱいで、休みの日はゲームに興じる長男。
小さな頃からIT機器に囲まれ、東京に住み、父親は芸人で母親は鬼嫁と世間に称されている。私の小学生時代とは全く違う環境で、私の経験したことのない日々を生きる長男。

彼は、私の知らない道を、すでにどんどん進んでいました。
そこには、どんな未来が待っているの??
私の心配はつきません。
でも、これは彼の人生。彼だけの人生。

私が今、親としてできることは
“これは彼にしか決めらない道なのだ”と肝に命じ、そんな彼の人生を、ドンと構えて横で見守ることだけだ、と旧友との会話で改めて気が付かされました。

君達は君達の人生を。写真提供/中村仁美
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塾の先生ともお話し、塾は月末までということに。

そんな中、最後の数回となった塾から帰ってきた長男が、突如「俺、塾やめないよ」と真っすぐな眼差しで訴えてきました。
「え?! もう先生とお話してきちゃったけど……なんで??」

「新しい友達ができた」

聞くと、新しい友達は最近隣の席になった子で、とても頭がいいそうです。
少し変わった苗字で、下は可愛らしい花の名前。

「だから、俺、塾はやめない」

宿題も頑張ってやるそうです。
本人がやる、と言っているのに、やめさせる訳にはいきません。

一応、夫にその旨を報告すると「一番良い理由じゃねえか」と頬を緩めていました。

意外な形でひとまず着地した、塾やめるやめない問題。
将来、彼は、どんな道へ進むのでしょうか?
大切な人の笑顔を守るため、彼は何を学び、何を身に着け社会に出ていくのでしょうか?

私は相変わらずハラハラドキドキしながらも、彼がどんな道を見せてくれるのか、楽しみに並走するだけ。
そして、どんな人生になろうとも、ずっとずっと願っている。
君の人生が、幸多からんことを!

ちなみに。
あれ以来、塾の日は長男がご機嫌なことが多いように感じるのは、母の思いすごしでしょうか?

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