2021.11.10
# 国際

プーチンが絶体絶命…ロシア経済が“崩壊寸前”で、いま起きている「本当にヤバい現実」

藤 和彦 プロフィール

実際に準備が整った10月27日には、プーチン大統領は国営天然ガス企業ガスプロムに対し「国内の天然ガス貯蔵施設への充填が完了する11月8日以降、速やかに欧州諸国の貯蔵施設の充填を開始する」よう命じた。これにより、欧州の天然ガス価格は3週間ぶりの安値となった。

ロシアで起きている本当にヤバいこと

プーチン大統領が欧州に対して悪意がない証拠は他にもある。実は、ロシアにとって欧州の天然ガス危機は「対岸の火事」ではないからだ。実際、プーチン大統領は10月20日に次の認識を示している。

「欧州の天然ガス危機の影響がロシアにも及ぶ可能性がある。国内の天然ガス価格が高騰するような事態になれば、食品などの必需品価格が一段と上昇し、深刻なインフレを招きかねない」

日本ではあまり知られていないが、ロシアではインフレ懸念が高まっている。

物価上昇の主因は食料価格だ。ロシアの年間食品価格インフレ指数は、8月の7.7%から9月は9.2%に達した。特に果物と野菜の価格が上昇している。

ロシアでも食糧価格の高騰が深刻さを増している Photo/gettyimages
 

ロシアは食糧輸出大国であるにもかかわらず、小麦、砂糖などに加え、主食であるジャガイモや卵なども値上がりしている。いずれも国内での自給可能な品目だが、新型コロナウイルスのパンデミックによる外国人労働者の流入制限による人出不足が災いした。

昨年夏には、世界初の新型コロナウイルスワクチン(スプートニクV)を承認したが、ワクチンに対する国民の根強い不信感から低い接種率にとどまっており、日本とは対照的に感染の再拡大が生じている。

首都モスクワなどで行動制限が再強化されており、人手不足によるインフレ圧力はますます強まっているのだ。

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