ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい記述を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」という説明がなされています。そして「現在、効果の認定されている治療法がない」と言われている事で知られています。前回は2年目を迎えて思う、津久井教生のALSへの向き合い方の源と現在の心情などをお話ししました。今回は引き続きのALSへの思いと、罹患公表から2年が経過しての私の「声」の様子と今の思いをお話していければと思います。

楽しい日常が伝わって良かったです
前回の連載記事「漫才のような日常」を読んだ方から、「楽しそうでいいですね」と言う感想をたくさんいただきました。文章もそういう印象だったのですが、写真の効果も大きかったと思います。「皆さんの表情で温かさが伝わります」という言葉をいただき、私もそう感じました。写真提供を快く許可してくださる周囲の皆さんに支えられていることを実感しました。
「津久井さんと奥さんの関係も明るいものだと思いましたが、周囲の方も明るくって津久井さんと相乗効果なのですね」そうです、そういう効果は大歓迎です。2年目のALSの病状と現在の重度訪問介護に挑んでいる状態を知っている方の多くが、大変な状態であることが想像できていた訳です。やはりそこだけにスポットが当たってしまうと、ALSの怖さが引き立ってしまいます。

「ALSと生きる」の連載は、確かに難病であるALSを知ってもらうことを大切にしています。ですからその難病の持っている「難病たる所以」を皆さんにお伝えするものになります。でもそれだけではなく、そのALSとどのように付き合っていくか、何か出来る事を模索していき、「共に生きる」方法を探り、伝えていきたいという思いもあるのです。
その工夫をしっかりとお伝えするためにも、「漫才のような日常」という模索している状態もお届けさせていただきました。家族と個性的な周囲の皆さんのおかげで明るい自分をキープさせてもらっています。