優待投資家は本当の仲間
――なるほど。そうなると、投資仲間と肝心な情報は共有できませんし、困ってる時にも相談しにくいですよね。
桐谷:ええ。でも、優待株を重視する買い方にシフトしてからは、優待投資家の友人が増えました。情報を共有し合いながら、旨みを分け合うことができる本当の友人です。「この優待株がいい」なんて話を誰かがしたら、みんなで買って、その優待を一緒に使うこともできるんです。
みんなで一緒に楽しむことができる友達がいるって、本当に素晴らしい。もし、私がリーマンショックで大損しなかったら、今より資産があったでしょうが、孤独な人生になっていたでしょう。
最近は、「FIRE」を目指す人が増えているそうですけど、私はどうかなと思う。「株で一山当てて、残りの人生を遊んで暮らす」という夢を否定するつもりはないですが、投資だけして残りの人生を生きていくというのは、あんまり世の中の役に立ってないような気がしますし、何より生きてて楽しくないんじゃないかな。
私が言うのも何ですが、株が人生の目的になってはいけないような気が…。まあ、やったとしても、そういう人の5人に4人は、途中で仕事に戻らざるを得なくなると思いますよ。
取材・文/今川芳郎 写真/西崎進也