10月20日、『田中みな実×PEACH JOHN ファーストガードル BOOK』を出版した田中みな実さん。自身がプロデュースしたガードルと責任編集を務めたムックがセットになったこの本は、発売前から即完売・重版決定と大きな話題を呼んでいます。

被写体なのに開発をするの? と思われる方もいるかもしれません。しかし田中さんは有名な「美オタク」。生まれ持った美しさに甘んじるのではなく、化粧品、下着、ファッションなど「努力して」「購入して」「試して」美を追求することを続けてきました。記者会見とインタビューを通し、2回に分けてお送りする田中みな実さんにガードルのプロデュースのための熱意をお聞きしていく1回目は、「美しさを伸ばすための「買い物」についてお届けしました。見栄を張ってファンデーションの色の明るいものを選んだり、様々な“失敗”ともいえる「買い物」もしてきた田中さん、「トライ&エラーがなければ学べない」と語っていたように、自ら試していいものだけを勧めるからこそ、その言葉には信頼が集まるのだと改めて感じさせられました。

第2回では、そんな田中さんが商品開発をしたらいったいどうなったのかを改めてお伝えします。ガードルの開発・完成までに1年ほどかけたことを、10月12日に行われた記者会見で語っていました。田中さんとガードルとの出会い、そしてこだわり抜いた製作過程についてうかがいました。

田中さんが1年近くかけて生み出したガードルとお尻ムック。そこへの想いとは…
 

胸はブラジャーで支えてる。お尻はそのまま?

もともとガードルには全く興味がなくて、どれだけ勧められてもピンときませんでした。ところが、ラジオ番組にゲストで来てくださった下着美容研究家の湯浅美和子さんの言葉にハッとさせられます。

「田中さん、ブラジャーはしているのに、お尻は野放しでいいの?」

たしかに! ブラジャーをつけずにお胸をぶらんぶらんに開放させていたら、重力に負けっぱなしの状態に。お尻だって同じように重力がかかっている……ということは、ガードルをはかないのはお尻の危機! と気が付いたのです。始めるなら肉質にプリっとハリのある早いうちからのほうがいいに決まってる――。私がこのことに気付いたのは30代になってからだけど、垂れてきてからどうにかしようともがくより、転ばぬ先の杖、転ばぬ先のガードルなのです。

思い立ったら即行動の私は、即ガードルをポチります。「どうせ買うならストイックなもののほうが“効きそう”」と、締め付けがしっかりある、ハードな生地のパワーが極端に強いものをチョイス。その結果、履くのも脱ぐのも大変で、トイレに行くのも一苦労。締め付けが強くて長くはいていられず、たった数日で箪笥の肥やしに。初めてのガードルとの出会いは最悪なものでした。

「まだ若いし、トレーニングもしているし!」と、ガードルをはくことをすっかりあきらめた頃、下着を買いに行ったついでに、売り場に併設されている360度からだをスキャンできる機械で半年ぶりに自分を写し出してみると、驚くべきことにお尻の下のほうに弛みが! わずか半年でこんなことに小さな弛み!! 恐ろしくなった私はすぐに湯浅さんに相談。すると、湯浅さんがお勧めしてくれたのは、締め付けの気にならない、スパッツのように軽やかなガードルでした。

「こんなにラクでいいんですか?」と疑う私に、「いいのよ、最初はそのくらいで。一番大きいサイズだけど気にしちゃだめよ」と。いや、ちょっと待って。今まで洋服もショーツもストッキングも全部一番小さいサイズのものしか選んでこなかったのに、大きいサイズとは?!「下半身は太っている」と言われているみたいで、屈辱的でした(笑)。でも、これが“サイズスライド”という手法だということを私は後に知ることとなるのです。