マスクとワクチンは自己犠牲の精神…? コロナ騒動で分かった「日本人の残念すぎる性根」

中川 淳一郎 プロフィール

松本氏は6月14日、「6月20日の緊急事態宣言解除期限迫る」という段階のNHKのニュースで「東京209人減少傾向も 7日間平均では…」というコーナーで「人の出方も増えて滞留人口も夜間が多くなりいつ(感染者が)増えてもおかしくない」「東京都であれば(リバウンド防止には)1日100人ぐらいが多くの目安だと思う」と語っていた。

この「100人」には一切の根拠はない。第5波の後、東京では「17人」(10月25日発表)になったが、いまだに多くの専門家はリバウンドと冬の第6波への懸念を示している。「専門家様」はその場しのぎで適当な警告を鳴らし続けているだけなのである。

尾身茂氏が「中央公論」11月号のインタビューで説明したことを以下にまとめてみよう。長文の中から要素のみを抜き出す。

夏に増加した理由は「夏休み・4連休・お盆・東京五輪」で、五輪が国民の意識に影響を与えたのだという(恐らく気が緩む、お祭りムードになる、ということだろう)。8月下旬に感染者数が減った理由については、「夜の繁華街の滞留人口を見ると、ワクチン未接種者、つまり、若い人たちの人流が少し下がっています。若い人たちも重症化するというニュースが流れ、それが若年層の人流抑制に影響したのかもしれません」と述べた。そして急激に減ったことは「良い意味での驚き」とのこと。

尾身氏は「人流と若者が悪い」「根性でウイルスは撃退できる」という当初からの意見をこのインタビューを行った9月13日段階でも変えていない。「夜の繁華街の滞留人口」と言うが、同氏は福島県いわき市やら、私が住む佐賀県唐津市の夜の繁華街のデータも見たのか? そもそも「人流」なるものは年齢層まで把握できるのか? ワクチン接種率84%になったシンガポールは過去最高の陽性者数になっているではないか。

とにかく「中央公論」の尾身氏インタビューは数行に1回ツッコミどころがある類まれなる珍回答の連続で、これを引き出した東大の牧原出教授の手腕は見事と言うほかない。

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疑問を呈するテレビ出演者は圧倒的に少数派

人間は誰だって間違える。間違いに気がついたらなら訂正すればいい。だからこそ、現在、TBSの夕方のニュース「Nスタ」キャスターの井上貴博氏は立派だと思う(もちろん遅すぎだが)。ついに覚醒した同氏の発言を基にしたネットニュースのタイトルをいくつか紹介する。

〈 東京の新規感染者数17人に井上貴博アナ「ウイルス側に何が起きているのか、解明、分析していただきたい」〉(10/25 スポーツ報知)

〈 東京の新規感染者数26人に井上貴博アナ「感染状況だけを気にしていても仕方ありません」〉(10/22 スポーツ報知)

〈「Nスタ」井上貴博アナ コロナ報道「恐怖を強調するのは終わりにすべき」〉(10/19 デイリースポーツ

〈 東京の新規感染者数57人に井上貴博アナ「私たちもマインドチェンジをしていかなければならない」〉(10/15 スポーツ報知)

〈 東京の新規感染者数72人に井上貴博アナ「激減を予測できていた専門家はいらっしゃらないような気もします」〉(10/13 スポーツ報知)

〈「Nスタ」井上貴博アナが反省 感染者激減一因「頑張り」は「根性論や気持ち」〉(10/7 デイリースポーツ)

〈 東京の新規感染者数激減87人に井上貴博アナ「テレビへの不満が渦巻く今、私たちは反省し変えていきたい」〉(10/4 スポーツ報知)

ここまで言える局アナは井上氏だけである。

 

この騒動に疑問を呈するテレビ出演者は他にもブラックマヨネーズ・小杉竜一氏と吉田敬氏、辛坊治郎氏、三浦瑠麗氏、古市憲寿氏がいるが、圧倒的に少数派である。とにかく「コロナは怖い」「感染対策は大事」だけ言っておけばいいと考える無能が多過ぎるのだ。

前出・舘田一博氏は6月11日のNHKのニュース「新規感染 減少続く 懸念も」に対して、こう言った。

「再増加につながる兆候として考えておかなければならない。人流が増加しているような地域ではまん延防止等重点措置を含めた何らかの対策を取り続けるような 解除後の1ヵ月間は非常に注意しながら対応していかなければならない」

10月の段階で言っている「感染対策を文化に」という慎重論とほぼ同じなのだ。

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