2021.11.10
# 家電

11月10日 今日はトイレの日、日本は「トイレ先進国」だった!

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

今日11月10日は「トイレの日」です。これは、11月10日という日付が「いい(11)ト(10)イレ」と語呂合わせできることから定められ、浄化槽の普及拡大や公衆トイレの環境整備を啓蒙する日であるとされています。

また、この日とは別に11月19日は国連によって定められた「国際トイレの日(World Toilet Day)」となっています。

さて、現代を生きる我々の生活に欠かすことのできないトイレですが、当然のことながら人類の歴史を見てみるとすべての時代、場所にトイレがあって活用されていたわけではありません。

例えば中世のヨーロッパでは宮廷などにトイレはあったものの、ほとんどの人はおまるのようなものを使用して用を足していました。当時は排泄物の定められた廃棄場所などもなく、庭や裏路地などに捨てられていたためにひどく臭ったそうです。

上下水道が発達していた古代ローマなどでは水洗式のトイレがありましたが、後世には引き継がれずに廃れてしまったのです。

古代ローマのトイレ photo by iStock

その後、そのようなトイレ事情もあってヨーロッパの各所ではコレラなどの伝染病が人々を苦しめます。19世紀前半にイギリスでこれらが流行した際には医師のジョン・スノウという人物がこの流行病の原因が汚染された井戸水であると指摘し、以降、ヨーロッパ各所で下水道の整備が意識され始めたという歴史がありました。

このことからジョン・スノウは「疫学の父」と呼ばれています。

実は16世紀の時点ですでにイギリスの宮廷作家であったジョン・ハリントンという人物によって現代的な水洗トイレの原型と言えるものが完成していましたが、あまり広まることはありませんでした。

それに対して日本は歴史的に見て排泄物との関わりが比較的上手だったと言えます。

平安時代にはすでに持ち運び式のトイレが発明されていたほか、江戸時代になると排泄物を肥料として利用する慣習が出来上がり、汲み取り式の便所が普及していました。街中には現代で言うところの公衆トイレまでもが設置されており、人々は「浅草紙」という紙を現代でいうトイレットペーパーのように使用していました。

その後、西洋諸国と開放的に国交を結ぶようになると西洋のトイレ技術が入り、水洗式の和式便所を作るなどそれらを独自に改良していきます。

そして、昭和時代になると、徐々に汲み取り式の便所も少なくなってきます。決め手となったのは1923年の関東大震災の後の下水道の整備で、これによって多くのトイレが水洗式となりました。

現代になっても「ウォシュレット」などに代表される「温水洗浄機能」の普及や用を足す時の音をかき消す装置など、トイレに多くの画期的な改良を施してきた日本は、実は隠れた「トイレ先進国」なのです。

photo by iStock 

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