2021.11.16
# 怪談

出産した「赤ん坊」を置き去りに…「コインロッカーベイビー」の悲惨な現実

現在も起こり続けている…
朝里 樹 プロフィール

その背景には未婚のまま子どもを産んだものの経済的な余裕がなく、子どもを育てられる環境を用意できないために、コインロッカーに放置した、という親も多かった。また片親に対する社会福祉などの社会基盤も現在に比べると整っていたとは言い難く、一人で子どもを育てる、ということが難しい状況にもあったのだろう。

このため、コインロッカーだけでなく、病院や路上、公共施設などに赤子を置き去りにする捨て子事件も多く起きている。

また、コインロッカーベイビーの事件は創作の題材となったことでも知られている。

1974年には早くも藤子・F・不二雄が『間引き』という読み切り漫画を描いている。この作品では、世界的な食糧難が発生した1980年の世界を舞台に、コインロッカーの管理人を主人公とし、たくさんの親がコインロッカーに赤子を放置していく様子を描いている。

そして『間引き』の舞台となった1980年が実際に訪れた現実世界では、村上龍の小説『コインロッカーベイビーズ』が刊行された。この小説の主人公2人はコインロッカーに捨てられた赤子であり、彼らによる社会への復讐が描かれる。

Photo by iStock
 

同様の事件は、現在も…

このように社会問題にもなったコインロッカーベイビー事件だが、これは決して過去のものになったわけではない。近年でも同様の事件がいまだに発生している。

2018年5月19日には、東京都新宿区歌舞伎町にて、異臭を発するコインロッカーから赤子の死体が見つかるという事件が起きた。監視カメラの映像から犯人である母親が逮捕され、その供述によって漫画喫茶の個室で産んだ赤子の首をタオルで絞め、近くのコインロッカーに放置したことが明らかになった。

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