2021.11.17
# 銀行

SBI北尾社長「新生銀行は泥棒」発言の真意…決算説明会に込められた「本気のビジョン」

新生銀行に対するSBIホーディングスの敵対的買収が注目を集めている。「敵対的」という言葉、「第4のメガバンク構想」を展開するSBI北尾吉孝社長の剛腕から、二項対立のウラに「善悪」の脚色が入ることも多いが、本当の「敵」はどこにいるのか。実は最大の「敵」とは、新生銀行の現経営陣なのではないか…?

前編記事はこちら:新生銀行の本当の「敵」は、SBIなのか…?「TOB攻防」から見えてきたもの

新生銀行サイドの「防衛計画」

今回のSBIホールディングスによる新生銀行買収劇の一つのクライマックス、11月25日の臨時株主総会についてだが、筆者のこれまでの経験から推測すれば、総会決議をめぐる議決権行使勧誘の攻防が水面下で繰り広げられているであろうことは容易に想像がつく。

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おそらく新生銀行サイドは、株主名簿には表れない本当の株主を追って、実質株主判明調査を行い、株主名簿上にはステートストリートバンクなどのカストディアン(投資家に代わって有価証券の管理を行う機関)名でしか現れない存在を絞り込む。

さらにその背後に、フィディリティなのかキャピタルなのか、最終的な議決権行使の主体(つまりは本当に自社に投資を行っている投資機関)を炙り出し、その機関の議決権行使担当者に、買収防衛策発動に対する賛成票を投じるよう、説得を試みているに違いない。

11月5日には新生銀行の買収防衛策に対して、米国の議決権行使助言会社で強い影響力を誇るグラスルイスが、11月8日にはISSが、賛成票を投じることを株主に推奨したという記事が幾つかの報道機関に書かれていたが、グラスルイスやISSなど議決権行使助言会社を味方につけることも、とても重要な活動になる。

 

機関投資家は受託者責任を遂行するために、経営参加権についてもそれを重視し、適切な投資先の経営への参加や関与を行ういわば義務があるが、株主総会の時期が、決算期が集中するなどの理由で重なってくると、限られたスタッフで膨大な数の投資先の議案を検証していく余裕はない。

議決権行使助言会社の存在意義はそこにあり、信頼性の高い(とされる)助言会社のレポートや推奨に従って議決権を行使することで、一定の受託者責任は果たされることになる。

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