2021.11.18
# 不動産

日当たりが良すぎる「タワマン」に住み、「サウナ地獄」に苦しんだ30代夫婦の受難

4月からクーラー点けっぱなし
小島 拓 プロフィール

しかし毎月積み立てられている修繕費が増えるペースはその半分にも届かず、その差額はなんと約25億円にもなる。このままでは修繕費を値上げするか、一時金を徴収しなくてはならないのだが、区分所有者の合意がとれない状態が2年も続いているそうだ。

「本音をいえば、値上げや一時金の徴収には私も反対です。これからあと何年住めるかわからないですし、個人としては損をする可能性のほうが高いと思う。けれど、ほかの理事や区分所有者の手前、推進派の旗振り役をせざるをえない。板挟みの状態がつらくて、理事なんかやらなきゃよかったと、心底思いますね」

一般的なマンションと異なるタワマンの特徴として、マイホームとして購入する人以外にも、投資目的で所有している投資家や資産家が多いことが挙げられる。たとえば、上層階の部屋を所有していることが多い外国人投資家は、短期間で手放す可能性もあるため修繕に消極的で、理事会にはほぼ参加しないものだ。

Photo by iStock
 

対照的に居住目的で購入した人は、居住としての住みやすさを重視して、なおかつ「資産価値が下がってほしくない」という気持ちから、修繕に積極的な人が多い。その一方で、居住が前提であっても高齢者は「修繕に関してはあまりお金をかけたくない」と考える傾向にあるようだ。

住民構成が非常に多様なタワマンでは、物件に対する思い入れの振れ幅が大きく、その分だけ所有者同士の話し合いがまとまりにくくなりがちである。修繕積立金などの変更には区分所有者の決議が必要であるため、意見がまったく噛み合わず、河村さん夫妻の住む物件のように、計画が塩漬けになってしまうケースは年々増加しているのである。

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