子どもにも情報を。いっしょに考えるというスタンス

小児のワクチン接種がスタートしてすぐの11月6日、世界的に人気の『セサミストリート』が『Sesame Street: The ABCs of COVID Vaccines(コロナワクチンABC)』という番組を放映しました。コロナワクチンに関する子どもたちの不安や疑問に専門家がわかりやすく答えるというものです。番組内では、ビッグバードなどセサミストリートの対象年齢(5~11歳)に該当する登場人物もワクチン接種をし、その体験談も紹介されています。ビッグバードは息子と同じ年齢の6歳だったんですね。SNSでもワクチン接種を報告し、バイデン大統領からコメントが来たことも話題になりました。

11月6日、「ワクチン接種をしてきたよ」とビッグバードはツイート。そこに、バイデン大統領が、「がんばったね、ビッグバード。地域の安全を守るためにはワクチン接種することが大切なんだよ」とコメントし話題を集めた。@BigBird

番組内では、「友達でワクチンを打たない子もいるかもと不安」と言う子どもの質問に対して、小児科の医師が「家庭ごとに違う決断をすることもあるけど、重要なのはあなたが接種して責任を持って自分を守ること。そしていい友人でいること」と伝えていて、とても素敵な回答だと思いました。

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一方的に大人が判断していい悪いを決めるのではなく、子どもにもわかりやすく情報を伝えて、わからないことを説明するというスタンスは『セサミストリート』などをはじめ、アメリカではよく目にします。

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20年前のことですが、当時アメリカで医学生として実習をしていたとき、911のテロがあって、しばらく日本に帰れなくなったことがありました。そのとき、子ども向け番組で、子ども達を招いて、テロリズムについて話すとか、そこから発生する人種差別について話すとか、それがいかにいけないものか、つらい出来事があったときに自分の不安や家族の不安な状態にどうやって向き合っていくか、そういったことを子どもと話す番組やっていていました。『セサミストリート』でも同じような番組を行っていました。テロが起きてから1週間以内にこういった番組が放映されたことにとても感動したことを思い出します。

子どもには難しいかもしれない、という話でも、子どもは大人の言っていることや、ニュースが耳に入ってきていて知らないわけはないので、隠すのではなく、ちゃんと説明をする、子どもが分かる範囲で言葉を使って説明することはとても大事なことです。これは小児精神科医の臨床の現場でも感じることですし、今回のコロナワクチンについても同じだと思います。日本でもそういった子どもといっしょに考えることができる配信が増えていってほしいと願っています。

後編「安全性は?日本では今後どうなる?5歳~11歳子どものワクチン接種では、「本当に子どもにとって安全なの?」「子どもにワクチン接種する意味はあるのか?」「日本ではどうなの?」という問いかけについて、新型コロナウイルスとコロナワクチンの科学的データをもとに解説します。