親たちを傷つける「何気ない一言」
スーパーや電車など公共の場で子どもが泣いてしまい、なかなか泣き止まないとき。周りからの視線も痛いし、かといって泣きやむ気配もなく……どうすることもできず途方にくれる、という体験をしたことがある親は多いのではないでしょうか。
0歳・2歳・4歳の3人の子どもを、ほぼワンオペで育てているというAさんは、見知らぬ人に「泣いている子どもがかわいそう」と言われたことがあるといいいます。
「常にワンオペなので、どうしても0歳児も連れて外出せざるを得ません。あるとき、役所に行くのに子ども3人連れてバスに乗る必要があったのですが、バスの中で0歳の娘が泣き始めてしまい…。

バスは混んでいるうえに上の子2人もいたので、どうすることもできずにいたら、突然、横にいたおばさんに「子どもが泣いていてかわいそうだ。なぜ泣き止ませないのか」と言われたのです。「かわいそう」という言葉は、私がひどい母親だ、と言われているように感じて傷つきました。こちらとしても泣き止ませたい気持ちはもちろんあります。でも子どもは大人が思う通りにはならないものですし、バスに乗らなければ役所の用事も済ませられなかったし……いったいどうしたらいいの?と思いました」
できればそっと見守ってほしいシーンに、見知らぬ人から予想外の言葉をかけられ傷ついてしまうということは、意外と多くの人が体験しているようです。もちろん気を遣ってもらえるのはありがたいこと。ただ「かわいそう」と言うのではなく「泣いても気にしなくていいよ」「大丈夫」と言ってもらえたら、親の気持ちの余裕もだいぶ変わってくるのではないでしょうか。