2021.11.19
# 企業・経営 # VR

突如社名変更Facebookが仮想現実「メタバース」に突撃の理由

現ビジネスモデルは行き詰まる。でも…
山本 一郎 プロフィール

あまりに悪名高い「旧」Facebook

で、どうしても気になることとしては、内外にあるのですが、内は「旧Facebookの悪党(Evil)具合を緩和するにしてもなかなか大変なのではないか」ということ、外は「メタバースが流行といっても『セカンドライフ』のような残念なコケ方を見てきたマーケットがそこまで喰いつかなかったら大変な損失を蒙ってしまうのではないか」ということです。

まず、前者は言わずもがな、アメリカ議会で謝罪まで行い、欧州ではたびたびグループで不始末をやらかし賠償金も都度払っている始末の悪さ、だらしなさです。せっかく成長していて収益を挙げているビッグテック企業の一角なのに、行儀が悪くて攻撃的なために各国政府からの評判は地に堕ちてしまっており、企業のイメージがすこぶる悪い、という点です。

Facebookも「良かれ」と思って手がけていることは多々あるようにも見受けられます。Facebook社員の皆さんの名誉のために書くならば、Facebookは企業文化として非常に意志決定が早く、しかも思い切ったサービスの改変も辞さない組織文化を持ち、ここまでの成長を遂げて多くの広告をユーザーが踏み続けているのも、それだけ「真面目に広告を踏ませるための試行錯誤を、集めたユーザーデータを元に弛まず続けてきた」という称賛される勤勉さを持っていることにあります。

多くのテクノロジー系媒体が指し示すところ、これらの貪欲な利便性に対する追求こそFacebook全体の成長の源泉であり、また、そうであるがゆえにTiktokのような新興サービスが支持を集めても、なお多くのユーザーの日常に入り込み、彼らの情報をかき集めて適切な分析を行い続けてきたと言えます。

 

概してFacebookの広告収入を得るためのアーキテクチャは極めて優秀であり、プロダクトとしてSNSをここまで仕上げられたのはFacebookの揺るぎない功績です。お陰で、多くのコンテンツプロバイダがユーザーとのコンタクトポイントにFacebookを選び、ユーザーもまた、特に英語圏では所得がある人ほどFacebook経由でデジタル新聞やネット媒体記事を読む習慣があることが分かっています。

まるで通勤電車の中吊り広告がそのままネットコンテンツの販売スタンドになったかの如く、専門媒体などではFacebookはビッグテックの中でも特に成功を収めたビジネスモデルだったことは間違いないでしょう。

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