にしおかすみこさん連載「ポンコツ一家」。80歳認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱらいの父、そして一発屋の自分を、愛をこめて「ポンコツ」と呼ぶにしおかさん。
母親が認知症ではないかとにしおかさんが気づいたのは、2020年春のことだった。2020年コロナで仕事が減ったにしおかさんが実家に立ち寄った時に、家の様子もなにも大きく変わっていたのだ。家が砂場のようになり、危機を抱いたにしおかさんは同居を決意する。
食材を冷蔵庫で腐らせてしまったり、お金の管理でもめてしまったり、なかなかハードな生活を送るにしおかさん。自治体に介護を頼むにも、それには認知症の正式な診断が必要になる。連載3回目では、2020年6月にようやくの思いで病院に連れていくことに成功したことをお伝えする。
その前編「80歳の母は認知症なのか…にしおかすみこが母を病院に連れて行った時の話」では、病院に行くまでの母親の様子と、診断が始まったことをお伝えした。果たしてそのあとどうなったのか……。

前編「80歳の母は認知症なのか
にしおかすみこ『ポンコツ一家』が書籍にまとまることになりました!13回までの連載を加筆修正の上、書き下ろし5編が加えられています。2023年1月18日発売!購入後、帯袖についているQRコードから感想をお送りくださった方の中から抽選で100名様に、人気イラストレーター・西淑さんによる「ポンコツ一家オリジナルマトリョーシカしおり」もプレゼント!
記憶力テスト
質問がいくつか続き、答えたり、答えられないほうが多かったか……。
続いて、先生が箱を出して来た。
「次は記憶力テストみたいなものです、楽になさってください」と。
母の顔がずりっと、ズレた地層みたいな顔になっている。
明らかに疲れている……頑張れ……。
箱にはハサミ、スプーン、時計、鍵、ペンの5つが入っていた。
「よく見て覚えて下さい。いいですか?」と、母が確認し納得したところでゆっくり箱は閉じられた。
「では中に入っていたものを言ってみて下さい」