日本テレビ系で毎週土曜日に放送中の中学受験ドラマ「二月の勝者ー絶対合格の教室―」。最強最悪のスーパー塾講師・黒木蔵人を演じる柳楽優弥さんのインタビューを公開したところ、二月の勝者ファンや中学受験の経験者から反響をいただき、リアル二月の勝者シリーズを始めた。
物語の中で、塾の吉祥寺校トップ・島津順くんは、中高一貫校の中でも「御三家」と呼ばれる最難関の開成中を目指す。けれど父親の厳しすぎる指導に、母子は萎縮し……。同じくトップクラスの女子たちも御三家を目指し、ライバルと励ましあいながら、自分自身と戦う様子が描かれる。ちなみに、中高一貫校の「御三家」は、男子校は開成・麻布・武蔵、女子校は桜蔭・女子学院・雙葉とされる。
今回は、それだけ憧れられる御三家の中学に合格したにもかかわらず、両親の勧めもあり、別の一貫校に進学した女子のリアル中学受験ストーリーを紹介する。
親は見守るだけ…「質問魔」の長女
東京都内に住む会社員男性Cさんの長女は、理系進学に強い中高一貫校に通っている。「御三家」のひとつであるX中にも合格したが、両親の勧めもあり、現在通う学校を選択した。
「長女は、『塾に行っている子に、勉強で負けたくない』と言い、小学4年の4月に塾に入りました。地元にある、大手塾を選びました。その校舎は、人数が多くなくて、少人数制のアットホームな雰囲気が合っていたようです。
月1回、テストがあり、クラス分けします。入塾当初は、実力は一番下のクラスでしたが、おまけで真ん中のクラスに。理由は『解こうという意志が見られるから』とのことでした。4年の夏に、上のクラスに上がりました。
5年生からは、毎週末のテストも受けました。ライバルとの競争や、先生にほめられることは楽しかったようです。水泳や習字などの習い事は、6年生からは全てやめました」

Cさん自身、中学受験を経験した。学校では習わない、独特な問題も解いたことがある。塾の勉強をサポートするのに、有利そうだけれど……。
「私も妻も、長女に勉強しなさいと言ったことも、教えたこともほとんどありません。邪魔にならないように静かに見守り、テストの結果が悪くて落ち込んだ時に励ましたぐらいです。
塾の宿題も、長女が自分でこなしていました。4年生の間は、宿題が多くてペースがつかめず辛そうでしたね。5年生からは慣れて、楽になったそうで、夏休み明けに、ぐっと成績が伸びました。
勉強は本人だけで、自己完結していました。わからないことがあれば、質問魔となって先生に聞いてきます。頻繁に質問するので、先生も大変だったと思います。補習も、無償で頻繁にしていただきました」