やっと全てを出し終え、安堵したのも束の間。何と最終決裁用に全書類をすべて遡って紙に印刷し、ファイルにまとめよと言われ、仰天した。DXの時代であることはもちろん、SDGsが叫ばれるなかで紙の無駄使いは時代錯誤ではと訴えたが、一定期間のファイル保管が行政のルールとのことで取り付く島もない。
泣く泣くプロジェクトメンバーあげて、社内ネットワークの共有ドライブに保管していた、おびただしい書類データを紙に出力し、分厚いファイルに綴じた。これだけでも正味2日間くらいは無意味な作業に大切な従業員を駆り出すこととなってしまった。

ルールに則って体裁は整えたのでこれで終わりかと思うと、なんと今度は、事務局が来社し、すでにPDF提出済みの資料リストを突合しながら検印を押すという。弊社の新規事業責任者は長時間の立ち合いも求められ閉口したものだ。
その他にも意味を感じられない煩雑な手続きが多く、事務局窓口に何度となく簡略化できないかと訴えても、「決まりですから」の一点張り。見かねた私が頃合いを見て「実際のところ、あなた自身、この作業が無駄だと感じませんか?」と尋ねると、きまり悪そうに「実は私もそう思います…。しかし、上から指示された仕事ですから」とのこと。主体性の無さに啞然とすると同時に、これらが私たちの税金で賄われていることに憤りすら覚えた。
これは一例だが、こうした非効率なアナログな手続きはDX推進によってどんどん改革し、便利な社会を創るべきだと強く思う。