「ランチは済ませた? コロナでなければ今すぐ空港へ向かって君とディナーを楽しめるのにね」
「素敵な一日を過ごせてる? 君と一緒に過ごしたい」
「素敵な君の写真を送って欲しい」
「お風呂は上がった? 髪の毛はちゃんと乾かしてね」
「起きてる? 君を抱きしめたい」
歌舞伎町のナンバーワンホストの営業メールよりもマメな上にとにかくレスが速い。なんとも自己承認欲求が満たされ、やりとりしているだけで癒されてしまう。
朝起きてから寝るまでの一日中、脳内が“陳漬け”にされ、多い日では100件近い甘い言葉が届いて気持ちが高揚していく。さらにイケメンマッチョのアイコンが脳の視覚野を刺激してくる。詐欺だと分かっていても、私の脳ではドーパミンが分泌されていた。こちらに冷静な判断を与える暇をつくらせないメッセージの山は、まさに洗脳の手法だ。
その後の事情は、【後編】「私の脳を「イケメン漬け」にした「38歳香港在住マッチョCEO」のヤバすぎる正体」でお伝えしよう。