2021.12.09
# 年金

親の死後、自分の「老後資金」が無いことに気づいた…介護離職が招いた60代女性の“悲劇”

寺門 美和子 プロフィール

事例(1):親の介護をしていた無職の兄弟姉妹

80代~90代の親と同居する独身の兄弟姉妹。親が健在時、面倒をみてくれるのはありがたいのですが、両親が亡くなった後、その兄弟姉妹の面倒を誰がみていくのでしょうか。男性は仕事をしているケースが多いのですが、女性は無職で介護をしているケースも少なくありません。特にこれからの高齢者は、男女共に現役時代に第2号被保険者だった方が多く、その為に夫婦で受給する年金額が多いので、年老いた子どもを養うことができるのです。

しかし、問題は両親が亡くなった後に気づきます。介護していた兄弟姉妹の老後資金不足です。あるケースでは、両親が亡くなった時には、その娘も60代以降になっており、老後資金に困窮したという事例もありました。介護のため離職して以降、長年働いていなかった人が、その年になって急に働くのは困難極まりありません。

なかには、兄弟姉妹のことが原因で配偶者からクレームが発生し、夫婦問題に発展することも。できたら、両親が健在のうちによく話し合っておく方がよいでしょう。親が遺言書を残してくれれば理想ですし、せめてその兄弟姉妹の老後資金を準備対策しておいてもらわないと、大変なことになります。自分たちのお財布や時間に関わってくるケースもあるからです。

 

事例(2):“お一人様”の叔父叔母

50代前後のときに親を亡くしてしまう方もいます。しかし、親の兄弟姉妹は健在で、その叔父叔母(伯)の老後の介護や経済支援をすることになってしまう場合があります。親の面倒をみることは覚悟をしている方は多いかと思いますが、叔父叔母となると複雑な心境でしょう。中には親戚から「あなたが一番可愛がられたのだから面倒見るのが当たり前」とか「うちは疎遠だし、自分たちで精一杯」とサジを投げられてしまう場合もありました。

多くの人は、自分のライフプランニングを計画する際に、「叔父叔母(伯)の費用」を考えないと思います。しかし、家族構成を考えた時、多少の費用が発生するかもしれないので、考えておいた方が無難です。特に、責任感の強い方は要注意かと思います。

<【後編】妻の死後、「元部下の女性」に貢いで“虎の子の老後資金”を失った…高齢単身男性を襲った悲劇>では引き続き事例を紹介するとともに、老後の資産形成を考えるポイントについて解説します。

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