"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1964年の11月28日、アメリカの火星探査機マリナー4号が打ち上げられました。マリナー4号は火星表面のクローズアップ写真の撮影に初めて成功したことで知られています。
1960年代、アメリカ航空宇宙局・NASAは火星および金星の調査を目的とした「マリナー計画」を実施していました。同様の計画は当時のソ連でも行われていましたが、多くの調査機が着陸に成功した金星とは異なり、火星調査の結果は芳しくありませんでした。
そんな中でマリナー計画の中で初めて火星にターゲットを絞ったのが先代機のマリナー3号でしたが、機器の故障などによって失敗。それらの失敗点を洗い直して同月28日に打ち上げられたのがこのマリナー4号でした。

宇宙船のメインフレームにはマグネシウムが用いられており、フレーム上部にあった4枚の太陽光パネルで動力を確保していました。本体にはヘリウム磁力計や宇宙望遠鏡、テレビカメラが備え付けれらていました。
マリナー4号はミッションに影響があるような大きな故障もなく順調に火星へと近づき、最終的に火星から9600キロメートルの近傍通過に成功しました。そして、探査機下部に取り付けられたテレビカメラで火星表面のクローズアップ写真を撮影することに成功しました。

この写真に写ったのはクレーターだらけの荒廃した地面で、これを見た科学者たちは予想していなかった光景に驚愕したと言います。
その後もNASAはマリナー計画の一環として1973年まで計10機の惑星調査船を打ち上げました。特にマリナー9号は火星の衛星フォボスとダイモスの写真撮影に成功したほか、マリナー10号は金星や水星など約2000枚の写真を地球へと送信しました。