2021.11.27
# エンタメ

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』、鈴木アナも涙する「想定外のハード展開」が描くもの

(ドラマ『カムカムエヴリバディ』のネタバレしています)

ハードな展開

『カムカムエヴリバディ』は展開がとても早い。

10話で「大東亜戦争」が始まり、18話で終戦を迎えていた。

いろんな人が亡くなって、なかなかハードな展開である。

最初は、もっとおかしみの強いドラマであった。

NHK『カムカムエヴリバディ』公式サイトより引用
 

基本にユーモアがあり、みなを楽しませてくれるホームドラマの雰囲気が強かった。

第一主人公の安子(上白石萌音:主人公は第三までいるらしい)が住む町内の会長さんは、荒物屋さんでその名も「あかにし屋」となっている。

そこの主人・吉兵衛さん(堀部圭亮)はケチベエさんと呼ばれていた。

「あかにし屋」(漢字だと赤螺屋)と聞けば、即座に何の説明なくても「あ、ケチな人なのだ」と分かってしまう文化がある。大きな看板が出ていたから、何となく一般知識のように錯覚してしまったが、考えてみればそうではない。

落語世界の知識である。

東京方でいうなら『片棒』という落語に出てくる親父が、赤螺屋ケチ兵衛。

平素、粗食に甘んじ、預金高の増えることのみを楽しみとして生き、やがて栄養失調で死亡する(と二男に予想されている)「がんこ親父」が「赤螺屋ケチ兵衛くん」である。

落語世界ではお馴染の名前だ。ケチの噺というのは、そこそこ多い。

ただドラマの舞台は岡山である。兵庫県の隣の県なので関西に近く、ラジオから流れている落語は上方落語だった。

第一話で、赤螺屋さんが聞いていたのは『始末の極意』である。

これもケチの噺だ(この噺のオチは、音だけではわからない粋なものである)。

ケチ兵衛さんがラジオを聞いて、くっくっくと笑っていたのは昭和8年である。

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