2021.12.01
# 雇用

コロナ禍のバラマキで「雇用セーフティネット」が崩壊寸前…しわ寄せは誰にいくのか?

新型コロナウイルスの感染拡大によって、「雇用のセーフティネット」が破綻した。その修復のため、厚生労働省は雇用保険料の引き上げを、政府は緊急時に国費を投入する仕組みの恒久化を検討している。

雇用保険の原資がほぼ枯渇

雇用状況悪化のセーフティネットとして、すぐに思い浮かべるのは「雇用保険(失業保険)」だろう。

新型コロナ禍による雇用情勢の悪化を受け、20年1月に30万人台だった失業保険の受給者数は、6月に入ると40万人台に。7月には50万人を超え、9月には55万6126人と前年比で35.8%増と急増した。

年度間の平均月間受給者数も19年度の38.7万人から20年度は47.6万人と8.9万人も増加し、予算上の21年度の受給者数は59.0万人に増加すると予測されている。

受給者の急増は、その原資となる雇用保険積立金を大幅に減少させた。20年度の積立金は1兆9826億円と、19年度の4兆4871億円から半額以下(前年度比55.8%減)に減少。さらに21年度の積立金残高は4039億円(19年度比91.0%減)に激減すると予想されている。(表1)

表1
 

それだけではない。新型コロナで一躍注目を浴びた「雇用調整助成金(雇調金)」。これは、休業要請を受けた飲食業などが、従業員に対して休業手当等を支払う場合の助成金なのだが、この原資となる雇用安定資金の残高が“ゼロ”となり、資金が枯渇している。

雇用安定資金残高は19年度に1兆5410億円あったが、20年度には“ゼロ”となり、さらに21年度の残高もゼロと予想されている。(表2)

表2

雇用保険や雇調金がこのような状況に陥ったのは何故なのか。その仕組みを簡単に説明しよう。

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