維新躍進のウラで…大阪の「コロナ死者数」が「日本で飛び抜けて最悪」になっている理由

山岡 淳一郎 プロフィール

さらに、大阪の医療崩壊を早めた要因は、保健・医療体制の2つの弱点によると考えられる。第一に、感染者の早期発見・隔離の重責を担う保健所の対応能力の不足だ。大阪府に接する和歌山県の仁坂吉伸知事は、県のホームページの「知事からのメッセージ(2020年12月10日)」に大阪の保健所の対応を問題視する文章を載せている。

「一例をあげると、和歌山の人と大阪の人が会食をして、和歌山の人の感染が確認されたので、当然その濃厚接触者ということで、大阪に通報しました。われわれは自分たちがやっているように最寄りの保健所がすぐに飛んで行って、その人にPCR検査をして、感染しているかどうか確かめているだろうと思っていたら、その後、検査されていないことがわかりました」

仁坂知事は、「改善」を大阪府にアドバイスしたが、なかなか実行されなかったという。もちろん人口884万人の大阪と、92万人の和歌山を同一視はできないが、大阪府・市の保健所は人手不足が顕著で、他部署からの応援が入っても、なかなか機能しなかった。

 

大阪市の「自立」が崩れた

2つ目の弱点は、治療の最後の砦である重症病床の確保の難航である。そもそも大阪は、重症患者に必要な人工呼吸器やエクモ(体外式膜型人工肺)の治療ができるICU(集中治療室)の数が多くない。

大阪府で、手術や救命救急用のICUは615床。人口10万人当たりの数は6.9床(日本集中治療医学会データ)。かたや東京都はICUの合計が1095床で、10万人当たり8.0床と、かなりの差がある。大阪では重症病床の確保が進まず、医療崩壊が大阪市で発生した。そこから周辺に波及する。

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