維新躍進のウラで…大阪の「コロナ死者数」が「日本で飛び抜けて最悪」になっている理由

山岡 淳一郎 プロフィール

第4波では、府の人口の3割が集まる大阪市で、連日、府全体の40~50%の新規感染者が大量に発生し、市域の医療機関では患者を収容しきれず、あふれ出た患者が周辺の「二次医療圏」(=保健医療を提供する区域の単位のこと。豊能、三島、北・中・南河内、堺市、泉州)の病床を圧迫している。大阪市の医療の自立性が崩れたのであった。

吉村知事は、病院を個別に訪問して「増床」を働きかけた。その姿をメディアが報道し、「吉村さん、ようやってはる」と視聴者は眺める。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

しかし、周辺の自治体にも、それぞれの医療体制を守る義務が課せられている。たとえば、東大阪市の府立中河内救命救急センターの山村仁所長は、私の取材に次のように答えた。

「第3波まではICU8床でコロナを診て、残りの22床で(一刻を争う多発外傷や重篤な疾患を診る)三次救急に当たっていました。第4波では、コロナ重症病床を、さらに2床や増やすよう、府から強い力がかかりましたが、ぎりぎりまで8床を維持したんです。うちは30床の小さな病院ですが、3分の1をコロナ重症に充てれば、医師、看護師に過大な負担がかかる。600床の病院なら200床をコロナ専用にするようなもの。現場がパンクする。

それと、中河内の広い二次医療圏(八尾・柏原・東大阪=82万1000人)で、救命救急センターはうちだけ。わずか2床と思うかもしれませんが、コロナに充てれば、その分、救急の機能がダウンする。生命の危機に瀕した患者さんが行き場を失う。中河内で救命救急のベッドを減らすなんてもってのほか。本末転倒です。だから、ぎりぎりまで見極めました」

この証言でも明らかなように大阪府・市の医療崩壊は、もともと手薄な保健・医療体制が引き起こしている。誰が、そのような状況に追い込んだのか。

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