2021.12.14
# 事件

積水ハウスの「地面師事件」、ついに「元社長」が裁判で語った「意外すぎること」

そして、株主の怒りは頂点に達した

積水ハウスの地面師事件裁判が大詰めを迎えている。当時、取引の決裁権者だった阿部俊則元社長が出廷し、初めてその重い口を開いた。『保身 積水ハウス、クーデターの深層』の著者が、被告人尋問の詳細をレポートする。

「先ほどから言っていますが、仮定の質問には答えることはできません!」

原告側の弁護士の微に入り細を穿つ質問に、いら立ちを隠せない被告人の元経営者の声が法廷にこだまする。

衆議院総選挙で世の話題が持ちきりとなっていた10月22日、大阪地方裁判所では民事裁判の被告人尋問が行われていた。

被告人は、積水ハウスの元代表取締役の阿部俊則氏。追及しているのは、阿部氏の善管注意義務違反を問い、株主代表訴訟に訴えた株主の代理人弁護士である。

大阪地方裁判所。10月22日、積水ハウスの阿部俊則元社長が法廷に現れた Photo/gettyimages
 

積水ハウスは2017年6月、地主に成りすまして勝手に他人の土地を売却してしまう地面師グループに55億5900万円を騙し取られた。阿部氏は当時、国内事業を司る社長兼COO(最高執行責任者)。地面師被害に遭った土地取引の稟議書を審査し決裁したのが、ほかならぬ阿部氏だった。

決裁権者でありながら詐欺を見抜けなかった阿部氏は、この法廷で法的責任を問われるかどうかの瀬戸際に立たされている。プライドをかなぐり捨てるように必死で質問に答える阿部氏と弁護士のやりとりは、約1時間に及んだ。

かたや、そのやり取りを聞いていた傍聴席の株主の一人は怒りを隠せずにいた。その不満が頂点に達したのは、次のやりとりを聞いた時だ。

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