2021.12.14
# 事件

積水ハウスの「地面師事件」、あのとき「社長」「部長」「部下」たちがやっていたこと

積水ハウスの地面師事件から4年、犯人グループの裁判は一巡したが、積水ハウスの経営陣の裁判はいまだ続いている。そして10月22日、積水ハウス元社長で地面師事件当時の決裁権者だった阿部俊則氏が大阪地裁で公判中の株主代表訴訟に被告人として出廷し、ついに「事件」を語った――。『保身 積水ハウス、クーデターの深層』の著者が、前編『積水ハウスの「地面師事件」、ついに「元社長」が裁判で語った「意外すぎること」』に続き、そんな裁判の詳細を緊急レポート。阿部氏はいったい、なにを語ったのか――。

暗躍する「地面師たち」

この詐欺事件で地面師グループは、地主に扮した実行犯の元保険外交員に加えて、スキームを描き出したとされる主犯格のカミンスカス操、内田マイクらが逮捕された。

地面師事件の舞台となった西五反田の旅館跡地(2019年6月筆者撮影)
 

高度成長期の地価高騰で暗躍した地面師は、アベノミクスによる量的緩和政策によって再び地価が上昇をはじめた2014年ごろから現代に蘇り、アパグループなどの大手デベロッパーを歯牙にかけて暗躍していた。

五反田駅から徒歩5分の一等地である西五反田の海喜館と呼ばれた旅館跡地に狙いを定め、その地主に扮した地面師は、積水ハウスから大金を騙し取った。しかし、その手口は旧来のありふれたもので、すでに警察にマークされていた地面師グループはこれを機に一網打尽となったのである。

業界中に地面師詐欺への警戒が広がる中で、積水ハウスは地面師詐欺の被害に遭ったのだ。

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