2021.12.01
# 教育

日本大学「田中理事長逮捕」、大学のガバナンス欠如は文科省の責任だ

理事長になればやりたい放題を放置

やっと田中理事長に辿り着いた

日本大学の田中英寿理事長が逮捕された。直接の逮捕容疑は日大関係業者からのリベートなどを申告せず2018年と2020年の所得税あわせて約5300万円を脱税した疑いだが、日大では7月に現職理事が背任容疑で逮捕、起訴されており、その資金が理事長に還流していたのではないかとみられていた。

Photo by iStock

背任事件では田中容疑者の自宅や理事長室が家宅捜索され、その過程で自宅から2億円余りの現金が見つかったという。背任容疑で逮捕された医療法人の前理事長は田中容疑者に資金提供したことを認めているが、田中容疑者は金銭の授受を一貫して否定してきたとされる。

これまでも田中理事長を巡る疑惑が繰り返しメディアで報じられてきた。田中理事長の権力は絶対で業者の間では「田中帝国」と呼ばれたが、これまで司直の手は入らなかった。

かつて、月刊誌「ファクタ」が連載で疑惑を追及したが、日大側がファクタ出版を名誉毀損で訴え、ファクタ側が敗訴したことで、メディアの多くも腰が引けていた。今回の背任事件でも、政官界に幅広い人脈を持つ田中理事長までたどり着けないという見方があったが、東京地検特捜部は立件の難しい背任ではなく脱税容疑で逮捕、突破口を開いた。

田中容疑者は1969年日大卒業後、日大の職員となり、相撲部コーチや監督を歴任。1999年には理事に就任した。2008年に理事長に就任して以来、13年にわたって理事長を務めている。この間、暴力団関係者とのつながりが疑われたり、工事発注業者からの金銭授受疑惑が報じられたが、理事長の座を追われることはなく、「帝国」を築いてきた。

 

アメリカンフットボール部の危険タックル問題では世間の強い批判を浴びたが、当時、常務理事だった監督とコーチが理事を辞任したものの、田中理事長は記者会見にすら現れなかった。その際、理事を辞任した田中理事長の側近だった井ノ口忠男氏はその後理事に復帰していたが、今回の背任事件で7月逮捕されている。

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