藤井聡太×山中伸弥『知能のピークは18~25歳⁉ 2人が語る“若返り”とは』

藤井聡太×山中伸弥 スペシャル対談(1)
分野は違っていても、過酷な競争の世界で最前線で前人未到の挑戦を続ける藤井聡太棋士と山中伸弥教授。彼らの日常の準備、学び方、メンタルの持ち方、AIとの向き合い方…。日々努力を続けるすべての人へ贈るメッセージを『挑戦 常識のブレーキを外せ』からピックアップしてお届けします。

棋士のピークはいつか

山中    将棋は何歳からやっていたんですか?

藤井    5歳のころからです。

山中    将棋を始めたのは、自分からやろうと思ったのじゃなくて、誰かに教えてもらった?

藤井    最初、祖母からルールを教わりました。祖母がすごい初心者で、すぐに勝てるようになって、それで楽しくなってしまったというか。意識的に続けてきたというよりも、好きなので自然に続けてきました。

山中伸弥氏(左)と藤井聡太氏

山中    そうなんですね。僕は、将棋は小学校の時に母親にこてんぱんに負けてから、悔しくて「もうイヤや」と思ってやらなくなった。最初は勝つから楽しい。

藤井    そうですね。最初にすぐに勝つことができたのが、今から振り返ってみると、よかったのかなと思います。

山中    それが、いつからプロになろうと思ったんですか?

藤井    自分はどこかの段階ではっきりプロになる、なりたいと自覚したという感じではなくて、自分の中でプロを目指すことは、すごく自然な流れという感じだったんです。

山中    別に誰かに強く勧められたとかいうわけでもなくて。

藤井    ええ。

山中    将棋を始めた5歳からまだ十数年でしょ。すごいね。いまだにプロ棋士の中では最年少ですか?

藤井    いえ、2020年10月に私よりも3ヵ月若い伊藤匠四段に抜かれてしまいました。同学年です。

山中    藤井さんの次に上の年齢の人は、どれくらい離れているんですか?

藤井    たぶん、4つくらいだと思います。ただ、プロになる一つ手前の三段だと、自分より年下の子もいます。

山中    じゃあ、もうすぐプロになって入ってくるかもしれない。

藤井    そうですね。ただ、将棋は、現状だいたい20代半ばから30代というのが実力的なピークになっているかと思うんです。

山中    そういうことは、やっぱり意識するものですか?

藤井    自分自身、年齢というものを意識することはなかったのですが、森下卓先生に「囲碁の世界では藤井君の年齢は決して若いわけではない」と言われたことがあります。確かに囲碁の世界では10代後半から20代前半の棋士が活躍されていましたので、自分もそういう意識でいました。

山中    羽生さんは何歳でタイトルを獲られたんですか?

藤井    初めてタイトルを獲られたのが、確か19歳の時です。

山中    19歳。藤井さんの前は羽生さんが最年少だったんですか?

藤井    いえ、タイトルの獲得は屋敷伸之九段の18歳6ヵ月が最年少でした。

山中    それを藤井さんが破って新記録を立てた。一方で羽生さんは無冠になってしまいましたね。年齢で言えば51歳ですよね。

藤井    はい。自分が見てきた羽生先生は常にタイトルを持たれていたので、すぐに実感が湧かないというところもあったんですけれど、ただ、今の将棋界は非常にレベルが拮抗しているので、そういうこともあり得るのかなというふうに思いました。

ただ、羽生先生なら、またタイトルを獲得する可能性が十分あるわけなので、すべてタイトルを失ったとしても、それがすごく大きな区切りというわけではないと思っています。これからも羽生先生の活躍は続いていくと思います。

山中    本当にそうですね。

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