2021.12.08
# マンガ

30代独身、5年彼氏無し…自分への「世間の目が気になりすぎる」女性の生きづらい人生

現代ビジネス編集部

迫り来る「リミット感」

――冬野さんの作品を読んだ感想で「苦しくなる」「しんどい」という“共感”の声を多く目にします。なぜこうした感想を抱いてしまうのか、どのように分析されていますか。

おそらく、実際に現在進行形で主人公と同じ状況にいるような人なら、「こんなのは違う!こんなのはまだマシなのに不幸そうな顔しやがって」または「こんなに愚かじゃない!」と反発心の方が芽生えるかなと思っています。自分も一寸先はコレだ、あるいは過去の自分みたいだ、という現在進行形でこうではない、主人公よりマシだという自覚がある人の方が、気兼ねなく共感できるかもしれません。

また、好奇心とブレーキの2つが同じ力で働いていて、常にどこか振り切れない人の方が共感してくれるのかなと思います。

「まじめな会社員」より

――本作では30歳という年齢設定も重要に思います。冬野さんにとって、30代とはどういう存在なのでしょうか。

年齢設定は、単に自分が30代だから描きやすいだろうと思って設定しています。

ただ、女性の場合は結婚はもちろん、転職の募集要項などでも「長期キャリア形成のため」など理由をつけてなにかと30が区切りになっているため、嫌でも「リミット感」を感じさせられる年齢だと思います。

「もう30代」なのか「まだ30代」なのかは何を基準にするかで流動的なものですが、なんとなく30歳までに人生の地盤をしっかり固めないと転落して終わるという逼迫感の真っただ中というイメージです。

あとは、仕事や既婚か未婚か、家賃の有無などによってお金・生活の差が見えやすくなる年齢で、嫌でも「何かの方向性」を決めないといけないような、決断を迫られているような年齢です。人生はまだ長いのに、すべての決着を今つけろと言われているような。

ただ最近は、家族のような感覚でルームシェアをする人も増えてきているので、経済的不安、精神的不安を回避する方法は増えそうな気配を感じています。なので、今描いている主人公はそうした不安にさらされる最後の世代だといいなと思います。

 
冬野梅子(ふゆの・うめこ)2019年、『マッチングアプリで会った人だろ!』で 「清野とおるエッセイ漫画大賞」期待賞を受賞。その後『普通の人でいいのに!』(モーニング月例賞2020年5月期奨励賞受賞作)が公開されるやいなや、あまりにもリアルな自意識描写がTwitterを中心に話題となり、驚異の166万PVを記録。一大論争を巻き起こした。

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