韓国エンタメの年末の風物詩

毎年、年末年始はK-POPファンにとって楽しみが多い季節だと言えるだろう。日本でも、ミュージックステーションスーパーライブや紅白歌合戦、レコード大賞など長時間にわたる音楽番組や授賞式が放送されるが、韓国では毎週6つと多くの音楽番組がレギュラー放送されているのと同様、歌謡祭、授賞式も非常に多い。その数はMnet Asian Music Awards(通称MAMA)、Melon Music Awards(通称MMA)などの授賞式形式で行われるものが6つ、KBSなど韓国TV 局が行う歌謡祭形式で行われるものが3つと合計9つにものぼる。

2020年はMAMAでBTSが主要4賞、全9つの賞を受賞した。ちなみに、今年は長期休暇のためBTSは出演しない〔PHOTO〕MAMA公式Twitterより

いわゆる賞レースである授賞式に関しては、ここ数年BTSが世界的かつ圧倒的とも言える人気と売り上げを誇っているため、ほとんどの賞をBTSが受賞する状況が続いている。そのせいもあってか、昨今の授賞式においては誰がどの賞を受賞するかに加えて、歌謡祭同様に誰がどんなスペシャルなステージを見せてくれるのかにファンの関心が移りつつある。

コロナ禍とあって、初の非対面イベントとして開催された「2020 MAMA」は最先端の公演技術が取り入れられ、BTSの『Life Goes On』のステージでは肩の手術の療養中で参加できなかったSUGAをそこにいるかのように再現したボリュメトリック技術が話題に(該当シーンは2:10あたりから)。

韓国の授賞式や歌謡祭のステージは、そのほとんどが一度きりの披露のためとは思えないほど豪華だったり、演出や振り付けのアレンジなどの趣向が凝っている。競争の熾烈なK-POP界を翌年も生き抜くために、アーティストたちは注目を浴びるこのステージでしのぎを削る。毎年楽しみにしているファンが多いのも納得である。

 

今年の目玉は、Wanna Oneの再結成

そんなアーティストたちの気合いの入ったステージが見られる授賞式・歌謡祭の中でも、今K-POPファンから多くの注目を集めているのがMAMAだろう。MAMAは1999年に韓国国内の音楽授賞式としてスタートし、2009年からはアジアの音楽授賞式として毎年開催されており、2010年から2019年まではマカオ、シンガポール、香港、日本など韓国国外での開催が恒例となっていた授賞式だ(2018年のみ香港、日本、韓国の3か国で開催)。

「2017 MAMA in Japan」にはAKB48が出演し、I.O.Iなど韓国のガールズグループらとコラボステージを披露。またここで、IZ*ONEを生んだオーディション番組「PRODUCE48」(2018年にMnetで放送)のサプライズ発表も行われた。

“アジアの授賞式”と銘打っていることもあり、過去には倖田來未や、AKB 48などの日本のアーティストはもちろん、スティーヴィー・ワンダー、アダム・ランバート、ジョン・レジェンド、ペット・ショップ・ボーイズ、デュア・リパなどの海外アーティストがK-POPアーティストとコラボステージを行ったこともあり、K-POPの欧米諸国へのPRに一役買ってきた授賞式とも言える。そんなMAMAが今年一際注目を集めている。それは、Wanna Oneの再結成ステージが発表されたからだ。