2022.01.12

中国・習近平、なぜか「北京のホテル」で“異例の決議”をした「本当の狙い」

「中国共産党100年」の深層
橋爪 大三郎 プロフィール

歴史的決議の「深層」

いまの中央委員は、「十九大」で選ばれている。「六中全会」は、第十九期の六回目の全体会議だ。

中央委員の全体会は、どれも大事だが、なかでも「六中全会」が大事。翌年に党の全国代表大会を控えていて、その方向が決まるからである。

江沢民と胡錦濤は、2期10年総書記をつとめた。1期5年つとめたところで後継者を決めた。ところが習近平は、1期5年つとめた「十九大」で、後継者を決めなかった。3期目も自分が総書記をつとめて、皇帝のように中国を支配するのではないか。

今回の「六中全会」の決議から、「二十大」の内容が予測できるかもしれない。

 

では、今回の「歴史決議」に、なぜ注目なのか。

これまで「歴史決議」は、2回しか行なわれていない。

1回目は、1945年の第六期七中全会の「若干の歴史問題に関する決議」。毛沢東が主導して、中華人民共和国の樹立を目指していた時期だ。

2回目は、1981年の第十一期六中全会の「建国以来の党の若干の歴史問題に関する決議」。文化大革命と毛沢東の誤りを清算し、改革開放に向けて歩み出した時期だ。

どちらも、中国の大きな節目である。そんなとき、「歴史決議」は出される。

今回の歴史決議は、「関于党的百年奮闘重大成就和歴史経験的決議」(党が百年奮闘した重大な成果と歴史経験についての決議)という名前だ。

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