アパレル業界は「もう復活できない」のか…? コロナ危機のウラで「いま本当に起きている現実」
オミクロン株の脅威はあるものの、コロナ感染は収束したかの感があって都心や観光地には人出が戻っているが、コロナ禍で激減したアパレル消費は復活するのだろうか。アパレル消費の変遷を追ってきた流通ストラテジストの小島健輔氏は疑問を投げかける。

米国ではリベンジ消費が盛り上がる
日本に比べるとまだコロナ感染が収まっていない米国だが、10月の小売売上(車とパーツ、ガソリン、フードサービスを除く)は前年同月比12.5%、19年同月比では24.5%も増加したから、もはや回復の域を超えてリベンジ消費の域に入っている。
アパレル&服飾雑貨小売店売上も前年同月比22.7%、19年同月比でも10.0%増加、デパート売上も前年同月比21.9%、19年同月比でも10.9%増加したから、コロナ前の勢いを取り戻したと言っても良いだろう。
前年は多くの店舗が閉鎖されていた反動もあるが、19年比でも伸びているのだから店舗小売業の回復は本物で、前年は40.4%も伸びた無店舗小売業(カタログ通販やTVショッピングも含むが大半はEC)は7.4%の伸びに減速している。
消費者物価が9月も10月も+0.1%と停滞する我が国と比べ、9月の+5.4%から10月は+6.2%と31年ぶりのインフレ率に跳ね上がった米国の売上伸び率はインフレを割り引いて見るべきだが、それでも大幅なプラスであることには変わりない。