
ノーベル賞受賞者・山中伸弥教授の想い「なんとか、死ぬまでに研究で人を救いたい」
藤井聡太×山中伸弥 スペシャル対談(6)負けを今後にどう生かすか
藤井 リスクを取ることを厭わないようにというのは、自分でも一つ意識していることです。たとえば、考えている中で二つの候補手があって、一つはうまく行けば勝ちにつながるけれど、逆に読み抜けがあったら負けになってしまうような手。もう一方が、すぐには負けないけれど、なかなか勝つのも大変だという手。二つあった時に、最初のきわどい変化のほうをしっかり読んでいこうという、そういう意識は持っています。
山中 ああ、なるほど、「きわどいところを踏み込んでいく」と言われた藤井さんの持ち味というか個性ですね。

藤井 そうですね。自分の対局においても、負けという結果自体を見るのではなくて、その対局の中から、自分にとって上達につながるところを抽出して、そこをしっかり振り返るということを意識しています。
負けたこと自体はくつがえらないですし、それはもう終わったら意識する必要のないことかなというふうに思っているので。結果じゃなくて、その内容からフィードバックを得られるようにと思っています。
たとえば小さなことですけれども、対局で苦しい局面で相手に正しく指されたら、自分がどのようにしようと負けてしまうので、あまり深刻に捉え過ぎずにというか、その中で逆にどういう展開になったらこちらにチャンスがあるか、そういう可能性を探し出していくのが大事なのかなと思っています。
山中 そうですね。負けるにしても、その負けを今後にどう生かすかということが大切ですよね。
∇藤井聡太棋士と山中伸弥教授の対談書籍『挑戦 常識のブレーキを外せ』は、好評発売中!
第1章 限界を自分で決めない
第2章 今できるベストを尽くす
第3章 自らの可能性を広げる
第4章 負けから学ぶ
第5章 AIが常識というブレーキをはずす
第6章 強くならなければ見えない景色
第2章 今できるベストを尽くす
第3章 自らの可能性を広げる
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