放送中のドラマ『アバランチ』(カンテレ/フジテレビ 月曜22時~)に、「アバランチ」メンバーのひとり、明石リナ役で出演している高橋メアリージュンさん。華麗なアクションに加え、繊細な演技にSNSでも感嘆の声が漏れている。そもそも謎だらけで始まったこのドラマ、12月8日の現在はまさにクライマックス直前で、見逃せない展開になっている。
そんな高橋メアリージュンさんの「演技」のベースにあるのは「人への優しさ」だ。それが悪役であっても、その人に寄り添い、役として生きる。ボイストレーナーの先生に言われた「ただ上手く歌おうとするのではなく、心を言葉にのせる」がその礎となっているのだという。
そんな優しさはどのようにして生まれたのか、メアリージュンさんの生き方をお伝えする連載「優しさと生きる」、第4回目は前回の、12歳のときに父親の会社が倒産し、貧困生活になった話に続き、家族の話と、メアリージュンさんの叔母のもとに行った時のことをお伝えする。
身内に幸せが充満している
前回お話ししましたが、高橋家は私・弟・妹・弟の4人きょうだい。そして現在私には、2歳になる2人の甥っ子がいます。もう2人ともめっちゃ可愛いんですよ! 彼らが生まれてから私の人生観もガラっと変わって、まず結婚を焦らなくなりました。
もともと両親は「〇歳までには結婚しなさい」とか「早く孫の顔が見たい」みたいなことは一切言わない人たちでしたが、それでも孫ができて本当に幸せそうにしている様を見て、私まで充実感を覚えてしまって。今はすっかり「よし、これで高橋家は大丈夫!」と、肩の荷を下ろした心境になっています。
もう一つの変化は、結婚と出産に対する考え方。身内に幸せが充満しているからなのでしょうか、以前に比べてそれらへのこだわりが薄れてきた気がするのです。今の時代、絶対に結婚しなきゃいけないというものでもないですし、子どもだって血の繋がりにこだわる必要はないですしね。
価値観は、時代や経験とともに変わります。たとえば事情があって施設に預けられている子を引き取って育てるとか、他の選択肢もあるのではと考えています。
大人になった今、きょうだいも皆それぞれに忙しく、全員が揃うのは誰かの結婚式くらいになってしまいました。とはいえ弟たちとは、なぜか都内のカフェでばったり会ったりするので、そのたびにお互い「やっぱりきょうだいやな。こわ~!!」と驚いています(笑)。

なかでも同じ芸能界で仕事をしている妹は、私の良き理解者。彼女は視野が広いだけでなく、常に一歩先を見て物事を冷静に考えられる子なので、ものすごく頼りにしています。