ちょっと短めのおみ足にまるいボディ。唯一無二のフォルムを持つ、神戸市立王子動物園のメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」。そのかわいい姿と優雅な所作から、親しみを込めて、“神戸のお嬢様”とも呼ばれています。
愛くるしいタンタンですが、実は現在26歳。人間で言うとおよそ70歳代という高齢パンダ。そして、中国への返還が決まっています。神戸で最後の時間を過ごす、お嬢様の様子を、動物園の休園日である水曜日にお届けします。

「りんごがほし〜の!!」
先日、公式ツイッターにタンタンのおねだり姿がアップされていました。ぐっとオリに鼻を差し込むタンタン……。こんなに強烈にアピールされるなんて、何かあったのでしょうか。飼育員の梅元良次さんに聞いてみました。


「この時は、お腹の好き具合やテンションなど、色々なタイミングが重なったのかも知れませんね」と、梅元さん。ここまでのアピールになることは、普段あまりないのだそうです。


こういう時は、おのずとトレーニングにも力が入ります。「お腹が空いているということは、トレーニングの強化子(ご褒美)であるリンゴが欲しいということですので、トレーニングも張り切ってくれる事が多いです」(梅元さん)

現在は観覧を中止しているため、基本的にトレーニングルームの入り口を開けっぱなしにしています。「タンタンの気分次第で、自由に出入り出来る様にしていますので、気が向いたらトレーニングルームに入ってくるといった感じです」と、梅元さん。

自由気ままにお過ごしのお嬢様。体調維持のためにも、たまには飼育員さんや獣医さんの言うことを、素直に聞いてくださるとうれしいです。