スー・チー氏、初判決の後に待ち受ける計100年以上の「禁錮判決ラッシュ」

不条理な法廷闘争はいつまで続くのか

反軍政を掲げてデモや集会、武装抵抗を繰り広げる市民への強権的弾圧が続くミャンマーで6日、民主政権の国家最高顧問兼外相だったアウン・サン・スー・チーさん(76)に対し、特別法廷が禁固4年の実刑判決を下したと、ゾー・ミン・トゥン国軍報道官が明らかにした。

その後、軍政トップのミン・アウン・フライン国軍司令官がこの判決に対する恩赦として禁固2年に減刑するよう指示したと国営テレビが同日夜伝えた。

スー・チーさんはクーデターが起きた2月1日に逮捕拘留され、複数の容疑で訴追されており、今後も実刑判決が続き計100年以上の「禁固判決ラッシュ」になるとの見方が有力だ。

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いわれなき容疑の数々

今回、スー・チーさんに禁錮4年の判決が下されたのは、クーデター発生後から民主勢力を結集して組織した「国家統一政府(NUG)」への支持を内外に訴えて社会不安を煽ったとする扇動罪、適切なコロナ感染防止対策を怠ったことに対する自然災害管理法違反の2件。

これらに加え、機密情報を漏らしたとする公務員秘密法違反、無線機を違法に海外から輸入した輸出入管理法違反、所持していた通信機器の免許に関する通信法違反、地方公務員から現金や金塊を関連する財団が受け取った汚職防止法違反、2020年11月の総選挙で不正に関与した選挙法違反など、複数の容疑で訴追され公判が続けられている。

 

いずれの容疑についてもスー・チーさん側は「いわれなき容疑であり無罪である」と主張するとともに「極めて政治的な裁判である」と、裁判そものの無効を訴えてきた。

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