全てを失うことになるのでしょうか?
家がネックとなり次に進めないケースとして、ほかにもこんな方がいらっしゃいました。
結婚32年目の優子さん(仮名・53歳)は、ご主人の鬱病に悩まされていました。28歳の息子と25歳の娘とともに都内近郊の一軒家に家族4人で暮らす専業主婦。子どもも手が離れたので、そろそろ趣味の料理を活かして自宅でお料理教室を開こうと思っていた矢先でした。
3歳年上のご主人はこの半年で、まったく仕事ができない状態になってしまったのです。仕事は自営業のため、疾病手当を受給することもできません。当然に、貯金はみるみる減ってきました。

さらに困ったことに、ご主人はたびたび「離婚したい。破産したい。もう何もかもが嫌になった」と口にするようになり、その口数が日に日に増えてきたのです。
優子さんにはもちろん離婚の意思はありません。ご主人が鬱状態から抜け出せば、すべてが元通りになると思っていたのです。
ひとまず現状を知るということで、さっそく住宅ローンの詳細を確認しました。書類を確認すると優子さんは、住宅ローンの連帯保証人になっていました。
連帯債務者であれば登記簿上に記載されるのですが、連帯保証人の場合にはもともとの契約書を確認しない限り分かりません。確認しておいて良かった。この瞬間はそう思いました。
連帯保証人ということは、優子さんにとっても住宅ローンの支払い義務があるということです。