主にインスタグラムで「結局怖いのは人間だよね」というテーマで漫画を描き、51.3万人のフォロワーがいる、ちなきちさんの人気作『僕と帰ってこない妻』。主人公は妻と子を持つ、ごく普通の会社員・倉田和樹。周りからはイクメンでよくできた夫だと評価されていますが、妻が家出し帰ってきません。自分のなにが悪かったのか、改めて考え始めた和樹は、妻の妊娠時代のことを振り返り始めます。前編【つわり中の妻のため、帰宅しようとした夫に「定時上がりは早すぎる」と激怒した仰天上司】から続く、後編記事です。
定時上がりに文句をつける鬼上司
ごくごく普通の夫婦に起きたすれ違いを描いた『僕と帰ってこない妻』。主人公の和樹は「家族サービス」をしっかりするという自称イクメン夫。誰もが羨む円満な夫婦関係だったはずなのに、ある日突然「書置き」を残して妻の雪穂と子供が出ていってしまいます。
当初は雪穂が出て行った原因がわからない和樹でしたが、妻子不在のなか参加した部長宅でのBBQに自分で選んだ手土産を持っていき、大失態を犯してしまったことをきっかけに過去を振り返り始めます。
思えば雪穂と和樹の関係性に変化があったのは、雪穂の妊娠が発覚したときからでした。
妊娠当時、雪穂は昇格試験を控えたキャリアウーマンでした。仕事も子育ても頑張りたいと、とても前向きな様子でしたが、しばらくすると雪穂の体調に異変が起こります。つわりが始まったのです。体調が悪いにも関わらず、和樹の分の夕飯を作ろうとする雪穂。
夫が残業して帰ってきているのに夕飯が作れない……と罪悪感を抱く雪穂に「お腹の赤ちゃんは雪穂にしか育てることが出来ない」と寄り添います。この日から和樹は雪穂の負担を少しでも減らそうと、残業をせずに帰宅することを決めました。
翌日、雪穂と約束した通り「定時上がり」をしようとした和樹ですが、それを見た上司からまさかの一言が。
「おいおいおい、まだ定時だぞ! 周りが見えないのか?」

このエピソードをインスタグラムに投稿した際には、時代遅れな上司の発言に「定時の意味わかってるのか?」「残業してナンボって考えが古すぎる」「自分の管理能力の低さが露呈しているだけ」という怒りのコメントが殺到しました。
それと同時に「奥さんが家出するほどに旦那さんが変わってしまったのは、上司や会社のせいなのかも」と和樹に同情するコメントも目立ちました。一方で、「いくら会社や上司に揉まれたとしても、奥さんを蔑ろにしていい理由にはならないのでは?」という議論も起こっていました。
定時上がりを許さない上司に、和樹はどう対処するのでしょうか。それでは、続きをご覧ください。
