2021.12.14
# 経済・財政

バラマキ策だけ具体的…不都合な真実はボヤかす岸田総理の「食えない」所信表明

新しい資本主義も、防衛問題も先送り

優しい言葉が並んだ34分間

11月の総選挙を経て、第2次政権の発足に漕ぎ着けた岸田総理は12月6日、衆参両院本会議で所信表明演説を行った。

所信表明演説を行った岸田総理/photo by gettyimages

冒頭、「私は新型コロナを克服し、新しい時代を切り拓くという極めて難しい課題に、国民の皆さんと共に挑んでいきます」「みんなで協力し、この国難を乗り越え、その先に、新しい時代を創り上げていこうではありませんか」という呼びかけから始まるものだった。

温厚な人柄を前面に押し出したかったのだろう。優しい言葉をズラリと並べた。口下手の菅前総理の演説とは対照的な印象を持ち、良い演説だったと感じた人が多かったかもしれない。

 

しかし、筆者は決して鵜呑みにできる内容だったとは思わない。

岸田総理が今回の34分間の演説の中で、何をどうするのか明確に語ったのは、「コロナ対策の病床確保」と「無料の検査の拡大」、「賃上げを後押しする企業優遇税制の強化」、「給付金」といった“バラマキ策”だけだったからである。

マスコミが競って取りあげた「3回目のワクチン接種の前倒し」も、ここまで表明してこなかった内容だっただけにサプライズを演出するという意味では巧かったかもしれないが、具体的な中身は何もなかった。

むしろ、前倒しを実現できるか定かではないことを浮き彫りにするものでしかなかったのである。

加えて、重要な経済政策も、緊急性の高い安全保障政策も、肝心な部分が先送りのオンパレードに終始した。

岸田総理/photo by gettyimages
 

つまり、所信表明演説は全体として、日本が直面する不都合な真実や必要な対応への言及を回避して、国民にネガティブな印象を持たせないようにするものだったのだ。

そうした演説に隠された意図は明らかだ。来年7月上旬に行われる可能性が強まっている参議院議員選挙へ向けて、国民や有権者にとって耳触りの良い、無難な人気取り策だけを前面に打ち出しておこうとしたのである。

そこで今日は、この食えない所信表明演説の実態を筆者の視点で丸裸にしてみたい。

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