どの局より“笑い”に注力するフジ

その流れは、朝の時間帯にも少しずつ押し寄せている。『スッキリ』(日本テレビ系)が時事に留まらず、思い切ったエンタメ路線を突き進んでいるほか、今春スタートの『ラヴィット!』(TBS系)は、お笑い色の濃い情報バラエティ。さらに同じ新番組の『めざまし8』(フジテレビ系)も若いコメンテーターを大量に採用し、情報バラエティ的な企画も『とくダネ!』時代より多い。これは朝の時間帯もスポンサー受けのいい10~40代の視聴者を狙っているからだろう。
その点、昼の時間帯は、女性層向け生活情報バラエティの『ヒルナンデス!』以外、『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)、『ひるおび!』(TBS系)、『バイキングMORE』と中高年層向けのニュース系番組がズラリ。
もともと「同じようなニュースを扱う番組は3つもいらない」と言われがちだっただけに、『バイキングMORE』の後番組は10~40代狙いの思い切った別路線もアリだろう。
そこで業界内から聞こえてくるのが、「フジテレビには『笑っていいとも!』のようなバラエティをやってほしい」という声。「現在は『笑っていいとも!』のようなお笑い要素の濃いバラエティが昼になく、やれるとしたらフジテレビしかいない」と見られているのだ。
実際、フジテレビは昨春の視聴率調査リニューアル後、『千鳥のクセがスゴいネタGP』『新しいカギ』をレギュラー放送化したほか、『まっちゃんねる』『FNSラフ&ミュージック ~歌と笑いの祭典~』『お笑いオムニバスGP』『ただ今、コント中。』などの大型特番を次々に新設。最もお笑いに注力しているテレビ局であり、今秋も土曜の編成を変えて「笑いの土曜日!」というフレーズを掲げて浸透させようとしている。
それだけ笑いに注力しているからこそ、「昼も『笑っていいとも!』のようなお笑い要素の濃いバラエティを放送してもいいのではないか」という声があがっているのだ。