2021.12.16
# エンタメ

フジ『バイキング』終了発表…業界内外で『いいとも』回帰が熱望される3つの理由

ブランド回復のチャンスを活かせるか
木村 隆志 プロフィール

スタッフらの育成ができなくなった

「フジテレビには『笑っていいとも!』のようなバラエティをやってほしい」と言われるもう1つの理由は、スタッフ、アナウンサー、若手タレントなどの育成。

今でもフジテレビ局員と話していると、「『いいとも』出身です」「『いいとも』に育てられました」という声をよく聞くように、育成面で多大な役割を果たしていたが、その伝統が約8年前に途絶えてしまった。

 

『笑っていいとも!』は、生放送である上に、さまざまなコーナーがあり、多くの芸能人が出演し、一般人参加のコーナーも多く、観客を入れたイベントでもあるなど、学べることの多い番組。スキルが培われるだけでなく、芸能人たちとの関係性を構築し、「ゴールデンタイムのバラエティにつながっていく」というケースもよく見られた。

また、そんな番組だからこそ、「発掘され、鍛えられてスターになった」という若手タレントも少なくない。

それほど貴重な機会が失われたことを嘆く関係者は多く、内部・外部の両方から「だからゴールデンタイムのバラエティに以前のようなパワーがなくなってしまったのではないか」「特にディレクターとアナウンサーへの影響は大きい」などの声を何度か聞いている。

タモリ/photo by gettyimages

一方、視聴者の気持ちはどうなのか。

「『バイキングMORE』終了」のニュースを受けたコメント欄やSNSで最も目立っているのは、「各局横一列で同じ情報、しかも一面的な見方ばかり」「他人を叩きすぎ」「危機感をあおるだけ」「タレントのコメンテーターがひどい」「ニュースや話題、情報の確認ならネットで済む時代」など情報番組そのものを批判する声だった。

さらに多くの“そう思う”ボタンが押されているのは、「ワイドショー以外の何か新しいお昼の定番を生み出してほしい」「来春からは『笑っていいとも』的な、お昼に心休まる番組にしてほしい」という新番組への要望。ただでさえ、「民放各局の平日は、早朝5時台から夕方18時台まで報道・情報番組ばかり」と言われているだけに、まったく異なるタイプのものを求めているのだろう。

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