12月は「損出し売り」期間

さて、今後の見通しだが、「下がり始めるとドンドン売りが湧いてくる」この感覚は、大納会の12月30日の手前まで続く可能性があると見ておきたい。
というのも12月といえば、個人投資家が日本株を売り越す特異月となる。その理由も知られていて、12月は個人投資家が塩漬け株(含み損を抱えたまま保有している株)の処分に動く月のため。年末までに損益通算することを目的に、塩漬け株を売却して実現損を計上する動きが起きやすいと考えられる。
今年でいえば、年内受渡にできる最後の約定日は12月28日(火)。この日まで、「損出し売り」が方々で行われている。その前提でマーケットを見ていくと良いように思われる。
「損出し売り」ということは、多くの人が損して持っていそうな銘柄のみが対象。ミネベアミツミ(6479)、デクセリアルズ(4980)、東京製鐵(5423)など、足元で年初来高値をとっている激強銘柄はいくつかあるが、そうした銘柄は対象外だ。
とはいえ、12月早々、年初来安値を付けた銘柄が今年最大の888銘柄にのぼったこともあり、今年は例年になく「損出し売り」対象になりそうな銘柄数が多い。「この株、年内にロスカットしちゃおう」と腹に決めて、売りタイミングを計っている個人投資家が山のようにいるのではないか。
売り対象となるのは、「年初来安値を最近付けたような銘柄」、「年初来のパフォーマンスが悪い銘柄」、「短期で大きく値下がりした銘柄」など、短・中・長期のあらゆる塩漬け株。塩漬け株の損出し売りが年末にかけた上値の漬物石となる、という仮説を立てられる。
この仮説を基に、注目したい銘柄をスクリーニングしてみよう。