2021.12.16

「年収1000万円」の40代男性の妻選び、婚活で「モデル風の美女」がドン引きしたワケ

高須 美谷子 プロフィール

たった一人のヴィーナスはいかに?

二人は銀座にあるカフェの席で出会った。結婚相談所では初回お見合いは仲人がお待ち合わせのブッキングをすることになっていて、この場合には女性がお店を指定してきた。男性が名前を告げて席につくと、待ち合わせ時間ちょうどに菜摘さんが現れたという。

柔らかい物腰で挨拶をする菜摘さんは、知治さんの理想そのものだった。出会って数秒で知治さんは恋に落ちてしまった。お見合いの間に知治さんは一人で弾丸のように喋り続けたという。

多くは自分が歩んできた時間や仕事のこと、親のこと、土日の過ごし方まで菜摘さんの優しい、心地よいうなづきに促され、知治さんは自分の全てを語り尽くしてしまっていた。

Photo by iStockPhoto by iStock
 

「楽しい時間でした! またぜひ」知治さんはそう告げて意気揚々とその場を後にした。

その翌日に菜摘さんの担当仲人を介しての返答は「ご縁なし」。それは知治さんにとって、青天の霹靂だった。あんなに笑顔で自分に接してくれていたではないか!

一体、自分の何が不服だったのか。知治さんは菜摘さんの気持ちを知りたがった。しかしお見合い業界ではご縁に繋がらない初見の印象を、お相手に聞かないのが暗黙の了解とされている。

その理由はそれぞれの婚活を前向きに進めるに重きをおくのが優先で、フィーリングが合わない理由を掘り下げて考えたところで互いにとって有益にならないというためである。

縁の無い相手に「あなたのここが嫌だった」と伝えるのは酷でもある。担当仲人はその理由を把握していても初回では伝えることはほぼない。

関連記事