それを伝えても納得しきれない様子の知治さんに、私はこう質問した。「菜摘さんはどんな女性でしたか?」
知治さんはひとしきり考え込んだ後に、「彼女のことはまだ聞いていないし、正直なところわからない…」と答えた。知治さんは男性が陥りがちな婚活タブーあるあるを侵してしまっていたのだ。
お付き合いも結婚も恋愛は二人でするものであり、どちらか一方だけの情報を与えられても相手は正確な判断ができないのである。
そもそも、自分のことを知らない人、知ろうとしない人とは恋愛する気持ちにならない。今まで選べる立場にあった知治さんだけに、相手を知るという努力を怠ってしまったようだ。

女性は質問の数で男性の興味度合いを測ることを知治さんに説明して、これからは会話はキャッチボールを心がけることをご理解いただいた。
また、よくできる女性は基本的に「なし」と思っていても、その場で相手に失礼なことをしてはいけないと考えるために、その場では優しく話を盛り上げてくれる人が多い。相手の優しさを「自分が会話をいい感じに盛り上げている」と勘違いすると痛い目をみる。
デートは長時間してはいけない
さらに、事もあろうに知治さんが侵したタブーは長時間に渡るお見合いにあった。通常60分~90分が相場のお見合い時間を、2時間半に渡って行ったのである。その間、なんと一度も菜摘さんはトイレに行かなかったという。これは知治さんの配慮不足だと言える。
女性は飲み物を飲んだら、口紅が取れるし、トイレに行きたくても恥ずかしさから男性のように口にすることができずにいることがある。それもあって無理のなく、集中できる時間の目安として60分~90分が相場とされているのだ。