子どもの頃、どんな少女マンガを読んでいましたか? クラスの中では、なかよし・りぼん・ちゃお・花とゆめなど派閥が分かれていたり、応募者全員サービスのグッズが欲しくて切手を送ったり、夏の増刊号の怖い話特集がトラウマになったり…。
そんな「懐かしい〜〜!」と思わず身悶えしてしまうような記憶が再び!
現代ビジネス少女マンガ部は第2弾がスタート。「なかよし」に続き、平成期にマンガ誌「ちゃお」に連載されていた懐かしの作品を毎週火曜日にリレー形式で紹介します。
無料試し読みもありますので、ぜひ当時のときめきを思い出してみてください。
少年少女のフクザツな「水色時代」
第21回で取り上げるのは、やぶうち優さんによる「水色時代」。1991年に掲載された「ちゃおデラックス」の小学校編を経て、中学校編第一部が「ちゃお1991年6月号」から、第二部が「ちゃお1991年12月号」から連載スタートしました。また、1996年からは続編となる「新水色時代」も連載されるなど、長きにわたり愛され続けているロングヒット作です。
同じく1990年代前半に連載がスタートした「ちゃお」作品は以下のとおり。
・らびっとスプリッツ
・ちゃーみんぐ
・ワン・モア・ジャンプ
・みい子で~す!
・きみはフィールドの風
・とんでぶーりん
・ヘリタコぷーちゃん
青春に至る前の、小~中学時代の子供たちの思春期を等身大で描き、男女ともに人気を博した「水色時代」。1996年にはアニメ化も果たしています。
ここでは、中学編のあらすじを見てみましょう。
<まっ白な子供時代から少しずつ、「青春」の青に染まってゆく…。そんな中途半端な水色の時代を悩み揺れ動きながらすごしていく少女たち。新しい環境、新しい制服、変わりゆく自分の身体や、幼なじみの男の子・ヒロシくんに対する気持ちに戸惑っている女の子・河合優子ちゃん。中学校に入学して、もう2か月ですが…>
「共感」と「しんどさ」
河合優子は明るくて素直で友達思いで、やさしくて元気などこにでもいる、普通の女の子。そんな彼女と彼女をとりまくクラスメイトや先輩、先生、家族との関係がまるで自分ごとのように繊細でリアルに描かれていくオムニバス作品です。
少しずつ大人に近づいていくにつれて、生まれてくる戸惑い。小学校高学年くらいから「生理」や「ブラジャー」の話題がクラスをにぎやかすようになり、男の子と女の子の距離も次第に広がっていきます。中学に上がると急に現れる、「先輩と後輩」の厳しい上下関係も、なんだかいじめのように思えてしまうのです。
小学校からの幼なじみで親友のタカちゃんは気が強くて我がままで周りの友だちからは敬遠されています。そんなタカちゃんとクラスメイトとの板挟みになることも…。また、学習塾で出会い友だちになった北野さんとタカちゃんとの「女友だち3人グループ」がうまく嚙み合わなかったり、友だちと同じ人を好きになってしまったり…友人関係も悩みが尽きません。
そうした繊細な物語は思春期の真っただ中にいる(いた)誰もが思い当たるものばかり。読むと「共感」と「しんどさ」が押し寄せてくる珠玉のエピソードが詰まっています。これから思春期を迎える子供たちにもぜひ読み継いでほしい名作です。