2021.12.18
# 韓国 # 不動産

「不動産バブル」に沸く韓国の“厳しい住宅事情”を、『イカゲーム』で読み解く

エンタメ作品から見えた「現実」

「イカゲーム」から見えた住宅事情

本当に誰も予想だにしなかった大ヒットになった。

当初、韓国国内での「イカゲーム」の話題というと、「トガニ」や「天命の城」でスマッシュヒットを続けていたファン・ドンヒョク監督が新作をNetflixで公開するという話が映画マニアの中で少し話題になっているぐらいだった。どちらかというと、作品の内容よりは主演のイ・ジョンジェの新作ドラマということで、彼がどんな演技をするのかの方が話題になっていた。

しかし、9月17日に公開されるや否や、瞬く間に世界各国のランキングを総なめにしてしまった。公開から1か月足らずでNetflixは公式的に「視聴世帯数が最も多いコンテンツ」であり、「28日間で約16億5000万時間の累積視聴時間を記録した」と発表した。実際に、Netflixがサービスをしているすべての国で1位を取った初めてのドラマにもなったのである。この記録は現在進行形で伸びている。

「イカゲーム」のファン・ドンヒョク監督[Photo by gettyimages]
 

ここまでヒットした作品だが、すでに世界各国で多くの分析記事が書かれているため、本稿ではなぜヒットしたのかについての分析は割愛する。

その一方で、本稿では「イカゲーム」を通じて韓国社会をどう理解するべきかに注目しようと思う。中でも、作品の背景として描かれていた「住宅」に注目して、そこから韓国社会を読み解いてみよう。

ソウルの下町「サンムン洞」の過去と現在

このドラマの中ではいくつかの住宅が登場する。

まずは、主人公であるギフンが住んでいる市場近くの住宅。構造は2DKだろうか。半地下ではないが、あまり日当たりのよくないビル住宅の一室に見える。また、同じ町には市場があり、そこに幼いころから一緒に遊んでいたサンウの母の魚屋もある。予想だが、サンウはその店舗の奥にある部屋で育ったのではないかと思われる。

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