2021.12.23
# ビジネス

「オシャレ」が死んだ日本を、「ダンス世代」の若者たちが“覚醒”させ始めたワケ

Z世代が「ファッション」を盛り返す
小島 健輔 プロフィール

21年7月に楽天グループが運営するフリマアプリ「ラクマ」のユーザーに行ったインターネット調査「ファッションの参考にしている国」では、50代(僅差でフランスが首位)を除く10代から60代までの女性で韓国が首位を占め、10代では77.3%、20代でも56.7%に達した。

今やファッションに敏感な若年女子に人気なのは韓流ファッション(SEOUL)であり、TOKYOはトレンド発信都市としての地位を失って久しい。マーケットの活力やビジネスモデル革新の勢いを見る限り、トレンドでも中国が韓国に並ぶのは時間の問題かも知れない。

ラクマの調査結果(リリースより)
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時代錯誤な夢に囚われたアパレル業界と経済産業省

マーケットが衰退してトレンドを生み出す活力も萎び、TOKYOがトレンド発信力を失っても、アパレル業界と経済産業省は時代錯誤な優越幻想に囚われ続け、過ちを繰り返してきた。

前世紀には経済産業省が旗を振ってTOKYOファッションを世界に売り込んだりもしたが期待したようには欧米に広がらず、ならば発展著しく日本への憧れも強いアジアに売り込もうと13年にクールジャパン機構を立ち上げた。

ところが、ジャパンファッションに憧憬の薄い中国寧波のジャパンモール事業やマーケットが未成熟なクアラルンプールの「伊勢丹 ザ・ジャパンストア」などに大枚を投資して大空振りとなるなど失策、組織内のセクハラなど不祥事も起きた。

何より理念先行のナショナリズムでアジアの日本に対する憧憬を過剰評価した“上から目線”が敗因だったが(インバウンドも憧憬より「安い日本」のデフレメリットが大きい)、経済産業省はそれに懲りもせず、今また「ファッション未来研究会」などという夢を追う委員会を立ち上げている。

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